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がくにん
官能リレー小説 - 学園物

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がくにん 26

「あの、影介君は、ホントに鼎さんと一緒にお風呂に入ったり、一緒に同衾したんですか?」

影介に想いを寄せる双樹にとって、影介の今の発言に過剰に反応してしまったらしい。

「へ?あ、ああ。でも小さい頃の話しだぞ」

「そうですか……」

影介君は気付いてないだろうけど、私には分かる。

影介君は鼎さんの事を兄妹としか見てない様だけど、鼎さんのあの目は、確実に影介君に好意を寄せる目だ。

何より鼎さんは、私には知らない本当の影介君を知っている。

落ち込んじゃうなー……戦う前から負けている気がするよ……

双樹自身も影介が忍者という事は知っているが、その姿を見た事はない。

宗像影介という人物を、まだほんの断片しか分かっていないのだ。

このアドバンテージは大きいと双樹は感じた。

「お〜い、いきなりどうした?黙り込んじゃったみたいだけど……」

「え?あ、ごめんなさい!ちょっとぼーっとしてしまって……」

影介と瑪瑙の関係事で深く考え込んでしまった双樹は、影介に不意に話し掛けられ、少し驚きながら返答した。

「なんだか、考え事してたみたいだけど」

「いえ大丈夫です。これは私の問題ですから」




「そう。俺に出来る事なら手助けするけど」

「いえ、これに関しては私が解決しなくてはいけない問題ですので。あ、大丈夫ですよ。危険な事じゃありませんから」

そう、この事は私がどうにかしなければならない事だから……

幸いと言ってしまうのはあ鼎さんに失礼だけど、影介君は人の好意には結構疎いみたいだから、まだチャンスはあるかな?この前は振られちゃったけど、嫌われて振られたわけじゃないみたいだから、この先は私の努力次第。

いざとなれば、影介君に弟子入り志願して、忍者になる事だって辞さない。



(そう、まずは一歩を踏み出すことが大事よ。以前、部長から聞いた男の子のオトしかた。まずは…シチュエーションでしたね。……桜の木の下、はダメ。もう散っていますし…夕暮れの屋上は論外。昨日失敗したばかりですもの。じゃあ……
っ!保健室で介護!これなら自然な流れでしかも授業が終わるまでは誰にも邪魔されない。完璧です。)

双樹はうんっ、と力強く頷くと影介を見る。
影介はその視線から只ならぬモノを感じてか目を逸らせながら言った。

「えっ、と…じゃあ俺はサボるから、教室に戻っていいよ?」

双樹の計画は、いきなり出鼻を挫かれた。

そもそも、双樹の計画には大きな穴がある。

保健室と言うものには、基本的に何処の学校にも学校医という者がいる。

その学校医が出張でもしていない限りは、双樹の計画は非常に難しいと言えるだろう。

双樹は基本的に聡明な娘なのだが、いつもの冷静さがあれば簡単に気付く事が、今は影介と二人きりになれるという想いが強い為に、学校医の存在に気付かなかった様である。

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