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がくにん
官能リレー小説 - 学園物

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がくにん 24


抜け出す事はそう容易ではない。

持てる技術をふんだんに使用して、ようやく逃げられるレベルだ。

しかし、それでもリスクは非常に高い。

考えた中では、変わり身や空蝉を使おうとも考えたが重大な欠陥があった。

変わり身に使う丸太なんて、教室の中にいる為、用意なんて出来ないし、丸太に変わる代替品もない。

空蝉というのは、衣服を囮にしてその場から離脱するというお馴染みの技術なのだが、これには問題がある。

衣服を囮に使うという事は、よく考えると、影介に身に纏うものが無くなる事になる。

つまりパンツ一丁だ。

そうなると余計に面倒な事になる。

猥褻物陳列罪として、公僕の方々に追い掛け回されるのは必至である。

そうなれば、たちまちクラスの敵(これは確定事項)から、学校の敵にレベルUPして、仕舞いには社会の敵にクラスチェンジだ。

故に、変わり身も空蝉も使えない。

八方塞がりとはまさにこの事。

だが、そうも言っていられない。

まだ抜け道はあると淡い期待を込めて、影介は更に深く熟考した。


(まずは最初に、自分の所持品を確認して、それからどう対処出来るか考えよう)

『鋼糸』『苦無』『手裏剣』『飛針』『千本』『煙玉』

(なんというか、殆ど投擲ものだな……鋼糸とか使うわけにもいかないしなー……唯一、煙玉が使えるか……いや、駄目だ。煙に反応して火災報知機が働いてしまう。そうなると、スプリンクラーが散水して煙も晴れてしまう。これは駄目だ。う〜ん、どうしよう……)

考えども考えども中々良い案が浮かばない。

気分転換になるかどうかは分からないが、影介はふとグランドの方をを眺めた。

しばらく外を眺め、ぼ〜っとしていると、校外で救急車の音が聞こえて来た。

しかし、然したる事でもなかった為、情景の一つとしてしか捉えていなかったが、その救急車の音によって漠然と閃いた。

(そうか、この手があったか!なんでこの事に気付かなかったんだ俺は!?これならリスクも低いし、労力も忍具も使わずに済む。必要なのは演技力だけだ。いける!?)

影介の考えた策戦、それは、単純明快、仮病で授業を抜け出す、もといサボるという策を思いついたのだ。


影介は、学校では常にスポットの当たる事のない目立たない存在という事を以前にも述べたが、目立たないという事は、常に授業中は静かで大人しいという事だ。

まぁ、授業中には私語を慎む事は当たり前の事ではあるが、その当たり前が出来ないのが少なからず居るのが昨今の授業風景。

つまり、常に大人しい影介は、教師達からすれば、真面目な生徒と見られている。

故に適当に腹痛や頭痛とか訴えても、日頃の行いも悪くないので、仮病だと訝しまれる事もない。

保健室にでも行くとでも言っておけば、授業を抜け出すのは容易い。

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