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香港国際学園〜第二部〜二章
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜二章 79

それは彼が『学生:橘理人』であった頃から続く様々な闘いへの、あくまで妥協案にしか過ぎないイベント施設。

「だが…ちっとはマシな方向に、導いてやるさ?」
担任教師、立花理人は一年A組二十三名の生徒に『ついてこい』とばかりその背を晒す。

『僕らは生涯反抗期ィイイイ!オトナの事情をブッ飛ばせェエエエ!』
…お〜!…

『御堂精肉店!よろしゅう〜!本日串カツ全品半額〜!帰り寄ったってや〜!』
…おおおおお〜!…

…会場の歓声を乗せて地下通路まで吹き荒ぶ風…敢えて立ち向かうは…誰がために…。


…私闘スタジアム・E組vsF組…

「YESッ!我輩は走るッ!そう!君の為にィイイイッ!」
「ちょっとデルリン?うわひゃあああ!」
E組人質役、レイナ恵スタンフォードは、チキチキマシンと化した大阿門D玄人に『お姫様ダッコ』で抱えられていた。

『イヨッ!傾奇者ッ!』
『いーぞー!王子様ー!』
『キャー!キモーい!』

結界効果で人質役は敵味方問わず捕まると、基本的に無抵抗で連れて行かれてしまう。
能力や道具を用いた拘束、単に手を引くだけでも構わない…当然『お姫様ダッコ』も同様である。

私闘スタジアム『山岳ステージ』で小高い丘を駆け抜ける大阿門の姿…王子様というよりも、山賊に近いか?

E組選手のインカムにキャプテン西原芽衣子の檄が飛ぶ。
『E組各員!撤退戦に移行!』

E組現状
大阿門D玄人(捕虜確保)
神凪晶(交戦中)
平原花丸(交戦中)
島本甲太郎(交戦中)
天野ヒナ(陣地守備)
控え選手残り一名

F組現状
黒津武蔵(交戦中)
白地小次郎(交戦中)
魅純葵(交戦中)
東雲花鈴(捕虜追跡)
ルーファス・ラングレー(捕虜追跡)
控え選手無し

勝利を目前としたE組の捕虜奪還を支える殿は正に激戦区であった。

島本甲太郎がグリズリー大型拳銃を照準するにも構わず、突進して来る小柄なセーラー服姿。
「むぅ?」
「往生せぃやぁーっ!」

甲太郎は最低限の動作で挨拶がわりの一撃を捌く。
半端な反撃よりも回避を優先…単に無用な暴力を嫌うタチなのだが。

「F組の魅純葵っ!人呼んで『血糊タイガー』じゃあっ!!」
こうした無駄とも思える口上も学園バトルの醍醐味、猫科動物を意識させる関西娘はゾンザイに結った髪を振り乱しながら名乗りを上げた。

「なんじゃコラ?デカいタッパでビクビクしよって!ダボハゼがぁ!」
「あ…えと…どうも…E組の島本甲太郎です…よろしく。」
甲太郎は何処となし挙動不審、まるで巨大な鼠が仔猫に睨まれている様だ。

「なーんや自分?ノリ悪いのぅー?ビビり入って舌も回らんかぁ?」
しかし魅純葵は、それが彼の能力発動の予兆であるなどとは予想だにせず、小馬鹿にした猫撫で声で捲し立てる。
甲太郎が目眩と頭痛に苦しみながら、大型拳銃にをセフティを掛けてホルスターに収める様子に、葵は箸が転がれば罵り倒すとばかりにヒートアップした。

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