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香港国際学園〜第二部〜二章
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜二章 78

父親はクール…なんだろうか?と光樹が考えていた所、壁に貼られた対戦カード日程表が視界に入る。

午前の部
E組VSF組
C組VSE組
午後の部
A組VSF組
…etc…

「今日はAブロックがメインやなー?てゆうかBブロックの試合って注目されてへんの?」
「殆どJ組の独壇場らしいのよん?」
光樹の肩越し体格の良い金大地が覗き込み、女生徒としては長身の有田美夏も同様にする。

軽快なステップと共に、見た目チャラいが一応インテリの烏丸が説明。
「Fuck!バトル向け人口が高過ぎるのさ!」

今回、烏丸倉之助は吸血鬼対策として抜擢。
「うむ…4番バッターだけで野球は出来ない…拙者がD組に居た頃、五十土(イカヅチ)殿の口癖でござった。」
百目の女剣士、剣百太郎は実質その護衛だ。
「しかし武芸者としては猛者揃い…個人戦向けでござろう。」

「家族同然のJ組以外…トレード含めて実質再編成の繰り返しだったみたいだよ?」
数日前までクラス浪人だった白月美幸、事情通である。

その先を、人質役の八神陣が続けた。
「Aブロック相当のクラスは、殆どそのまま中三から高一に繰り上げ…ひじりとも腐れ縁だな。」

ここには居ない八神陣の相方、山本ひじり…応援席で早弁中の相方が目に浮かぶ。

「クラス替えねぇ?」
高等部から入学した桜川光樹は、クラス替えが多いというBブロック側の対抗戦における難儀が想像出来た。
そんな中、J組の独壇場とやらは理屈だ。

しかし百太郎の言う通り個人戦での優位…戦力バランスは取れているのだろう、そもそも学園バトルが全てでもない。

「M組なんか、クラスそのもの解散しちゃって…今年の春で全取っ替え状態らしいべさ〜?」
と、短い時間だが光樹独り占めの賀集量子がポツリと溢した。

いつしか上を目指すべく、光樹もそうした事情を聞き集めていた。
現在の一年M組は殆どが高等部入学、そこへ少人数の(学園での要領を幾等か知る)浪人生を加えた、実質今春からの新規クラス編成。

「俺が赴任する半年位前だったか、資料じゃクラス内のトラブルで解散としか書かれてなかった。」
一年A組担任、立花理人は雑談程度に補足説明を加えた。

「噂話の域じゃ、思想の違いからタカ派ハト派で内部分裂が起きたとかな。」
立花の教員たる立場からしてこの位が限界だろうと、光樹含めその場に居た選手九名は理解した。

いや光樹達を出迎えに来たらしい、他のA組生徒も集まっていた。
どこから聞いていたのか知らないが、立ち聞きとは言うまい。

「自由移籍制度の弊害って奴さ、アクの強い思想家が集まりゃ、な。」
立花は言葉を切った。
旧M組生徒、内紛で解散に至った生徒とあっては移籍なぞ通るまい、浪人生活か更生施設送り。
最悪その内紛の際に…と悲しい事態も珍しくない時期であった。

「いち教師、お前らの事はよく理解してる…なんて言う気はない。」
現在、ほぼ完成の域に達した私闘スタジアムは、合法化した学園闘争として成立している。

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