香港国際学園〜第二部〜二章 77
『巧く誤魔化せたな?仮性ライダーマン。』
『馬鹿で有り難う蒼流、優しい君は仮性ライダー四号よ。』
…家族…三つの心…一つに…なってない…。
お子ちゃまーズ的に…家族だから裸平気とか、身の上話とか自体は実話だったが…悪フザケを誤魔化そうというノリであった。
『つーか、シモの方もライダーマン?』
『ちゃんと…剥いて洗いなさいね?』
…お義父さん…何時の日か貴方の様な立派な男に…
風呂場から決意表明の独り言まで聞こえて来た。
この先『地味キャラいぢり』は程々にしよう…と誓うお子ちゃまーズであった…。
…そして次の日…
会場内外を問わずゴッタ返す私闘スタジアム。
一応の配慮、会場周辺の状況に応じて、出入り待ちファンやストーカー、テロ対策として…当日の試合参加クラス別に交通機関が用意される。
A組選手(人質役含め)九名と引率の立花理人は半地下モノレール…桜川光樹は車窓から外を眺めた。
「相変わらず凄い混雑だな〜?」
性行為は超常能力者の活性化と引換、気分的に疲労感を残す。
つまり『精神力』と『精神的』は別問題なのだ。
先日の光樹は毎夜の御勤め前、異次元でもアレだった為に少々お疲れ気味。
キャプテンやマネージャー、応援は時間をずらして入場する手順、彼等や他クラスもまた苦笑いする事だろう。
試合観戦『以外』で会場を取り巻く連中に…。
「あぃ〜!アリーナあるょう!アリーナあるょう!」
「こちら新製品のアニメ調アーマー!今なら色違いを更に一着と!ヒヒイロ・ステンレス大太刀も提供致します!」
「ネッ?宗教とかじゃネッ?ないからネッ?」
「取材費出すから…クラスの内輪話…。」
イベント便乗の商売全般…大抵が色々と無許可な訳で、警備員が目を光らせる。
『くらぁ!糞餓鬼共ォ!ケハァア!』
職務に忠実な警備員が制止に回ってたり。
『ちぃと面倒でもよぉ?書類申請して出直せ!つーか俺が面倒くせぇ!刻むか?クカカァア!』
何だか時々、あくまで時々、晴れ時々、血の雨らしき降水確率の気配もあったりする様で…。
『クッチマウゾォ?ヒャッハアー!』
「甲良…何で刹那みたいな奴、警備局入れたんだ…?」
立花は、元同級生の『職務』を見なかった事にした…。
兎も角、古代竜騒動直後も個人戦は開催されていたが、シーズン的にはクラス対抗戦。
先の胡散臭い連中と別口、前座試合で売り込む浪人もまた然り。
その受付はハ○ーワークさながら。
「午後の部?ちょっとカミサンとガキに電話させて!」
「見た目ぇ黒ギャル系ですけどぅエルフなんでぇ人間年齢だとぉ?」
「能力以外で資格免許?犯罪歴ならシャバでも学園でも…書き切れないなぁ?」
そんな車窓からの風景が途切れ会場駅に停車、ホームに降りた光樹と影汰は聞き慣れた放送を耳にした。
『つー訳で…本日のゲスト解説!御堂凛さんですっ!』
『みなさーん!よろしゅう!』
「毎度お馴染みだね音無お兄さん?」
「次郎くん曰く、ハイテンションは母親譲りだそうです。」