PiPi's World 投稿小説

香港国際学園〜第二部〜二章
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 72
 74
の最後へ

香港国際学園〜第二部〜二章 74

「結局デストロン繋がり…じゃなくって!下半身の話から離れろォオオオ!」

本人にしてみれば能力と幼少期に関する、何よりトラウマな部分、それをセクハラに転用してくれた二人。
まだ蒼流の口振りこそは冗談じみていたが、その仮面の下に殺意を圧し殺す表情さえ浮かべていた。

…瞳術(ドウジュツ)…

オッドアイを通したテレパシー能力。
蒼流命のそれは無抵抗状態の相手ならば…自殺に追い込む程の洗脳まで可能とする。
この先、二人と同室の付き合いをする上で、何かしらのギアスに縛るべきではないか?とまで思っていた。

生まれてすぐ、病院で両親から置き去りにされた蒼流命は、15歳までを孤児院で過ごした。

朱と蒼のオッドアイ、それが両親に捨てられた原因ではないかと思っていた。
外見的トラウマに加え、人見知りがちな蒼流命を温かく迎え入れてくれた孤児院の人達。

彼等に応え、蒼流は明るく接していたが、ある日その優しさの正体を理解した。

蒼流が『右手を上げろ』と念じればそう従う、周りの人間(当然常人)は自分の望む通りに動いていたのだ。

蒼流自身気付かぬうち、対象の意識を強制して、である。

いつしか彼は心を閉ざした。

超常能力者の捜索でたまたま孤児院を訪れ、義父を申し出た北川才英校長との出会いで、幾らかマシにはなった。

しかし完全に捨て切れないトラウマに、土足で踏み入ってしまった二人。

ギアスを執行すべく決意した。

『僕に構うな。』

ただそれだけを強制するべく。

…しかし…

ぴろろっ!ぴろろっ!

という間延びした電子音に集中力が乱れ、軽く舌打ちする蒼流命。

「おぅ美波っ!風呂沸いたぞっ?」
「んっ?」
平原の呼びかけに、南田が頷く。
浴室脇のパネルが適温を示すランプを点灯させていた。
蒼流命は葛藤していた。
この半面はオッドアイを隠す為のみに非ず。
かつて気付かぬ内に、人の意思を操ってしまっていた事への後悔の念、故に自ら課した仮面。

しかしこの無神経な二人への怒りが上回る。

…再び脳内のトリガーを絞りかけた、その時…。

…するする…ぺろん!…

「え…?」

南田美波は何の躊躇いもなく、セーラー服のリボンとファスナーを解くなり、裾辺りを交差させて掴んだ両手を反転…つまり、脱いだ。
レースの入ったハーフカップ、オレンジ色のブラに包まれた、程よく発育した乳房が視界に飛び込んだ。

暫し『ちょっとォオオオ!?』のツッコミも忘れ呆然と見入っていたが、彼女の両手が背中のホックに回った辺り、常識人としてのモラル優先で回れ右。

衣擦れの音、おそらく全裸、蒼流だけでなく平原も居るこの場で。
蒼流が目を反らした甲斐もなく、南田は着替やタオルを用意すべく、そのままウロチョロ。
お蔭で蒼流は『膨らみ』『突起』『茂み』『亀裂』その他、女性要素を軒並コマ送り単位で目撃…寧ろ怒張どころか反対に、朝顔の蕾が如き萎縮で下半身が疼く程。

…からから…ぴしゃ…と南田が浴室に入ったであろう事に安堵した。

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す