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香港国際学園〜第二部〜二章
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜二章 73

夕日に向かって低い爆音を響かせる、てゆーか毎回、主人公差し置いて目立ち過ぎな辺里影汰を見送り、軽く舌打ち。

しかし、敷かれたレールだろうが、生意気な成り上がり一発キャラにコメカミを引き吊らせようが。

自分の行く路には、自分だけの足跡が刻まれる。

影汰を見送った光樹は、何か用事があったであろう量子を思い出した、帰り道すがら聞いてみよう。
そしてお姫様抱っこしようと…。
「重っ!?」
…と迂闊な一言で、キレ気味に目を覚ました量子の足跡が顔面に刻まれた。

…さてさて…

普段あまり触れていない、他の生徒達の寮生活に触れてみようか。
ガラゴロとキャスター付きトランクを引きながら、共学学生寮の廊下を行く着流し姿に、オッドアイを隠す半面。

今日の餌食は一年E組マネージャー、蒼流命(アオルミコト)であった。
「ちょっとォオオオ?何だよ今の不穏なナレーション!?」

無視、北川才英校長の養子たる彼。
数日遅れの高等部入校により暫く独り部屋に寄宿していたのだが、漸く細かい手続きが済み、クラスメイトとの共同部屋へ移る事となったのだ。

「不穏っちゃ不穏…か。」
ゲンナリと瞳を濁らせた蒼流、日頃は話好きで、人当たりも面倒見も良い少年でこそあった。
しかし孤児院出身という少々複雑な境遇、そして彼自身の希望としちゃ、学業外の時間は少しでも長く、独り部屋の閉鎖空間で落ち着きたかった。

「よりによって…この二人と…。」
ドアに張られた表札。

『南田美波(学園刑事ミナミダー)』
『平原花丸(ハラヒライダー龍牙)』

表札の余白部、明らかにおかしいルビをふった二人。
E組トラブルメーカーお子ちゃまーズ、その下に。
『蒼流命(仮性ライダーマン)』

日頃ハレンチ厳禁をうたうお子ちゃまーズ、しかしそれは、あくまで実際の性行為に限った事であって、こうした下ネタは中2基準でガンガン食い付いてくる。

「ちょっとォオオオ!?」
しかもこのネーミングセンス、イジメか天然か、いや限り無くイジメに近い。
ビシッと言ってやらねばとチャイムも押さずドアを開けた蒼流命(仮性ライダーマン)。
「ちょっとォオオオ!ナニ人に変なニックネーム付けてくれてんのォオオオ!しかもさりげなく本文中のルビまでェエエエ?」
そりゃもう悪気ゼロで顔を見合わせるお子ちゃまーズ。

時間帯的に、部屋着に着替えるでもなく制服姿の二人。

平原の方は大型拳銃コルトパイソンを整備していた。
白兵限定の能力者故、飛び道具が必要な場合は大抵自前の調達だ。
「いや…半分『被ってる』からよ?」
と、平原は整備を終えたパイソンをしまいながら、蒼流の半面を示す。

「謝れェエ!全ての仮面キャラにィイイイ!」
怒り狂う蒼流命に更なる追い打ち。

「当初ハナモゲラに因んで…サオモゲラかタマモゲラかで迷った訳んだけど…。」
年頃娘というか現役女子高生の南田、何の恥じらいも無く竿だ玉だと口にした。

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