PiPi's World 投稿小説

香港国際学園〜第二部〜二章
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 6
 8
の最後へ

香港国際学園〜第二部〜二章 8

公的な交通機関…バスや路面電車と言うのも学園内のあちこちを走っていたり…はたまた無認可の白タクまでが存在している。
無認可と言うか、放置状態の白タクなんかはまともな物からヤバい物まで…この学園だけに多種多様な物があるのだ。
なにせ、車だけでなく、生き物や空飛ぶ物…時速百km以上で走る人力車すらあったりする訳だ。
まあ、とりわけ急ぐ理由もない二人は、路面電車の停留所で電車待ちをする事にした。

香港国際学園…余りに巨大かつ膨大な人数を収容するそこは、一つの都市と言ってもいいかもしれない。
『能力者』と呼ばれる人知を超えた特殊能力を持つ者の為の学園…それがこの学園の趣旨だが、学園に生徒として登録していない者…就学年齢以前の者だけでなく遥かに過ぎ去ってしまった者などが雑多に生活し都市化してしまったと言う方が正しい。
能力者と言っても様々なランクが存在し、その殆どんが常人より若干高い身体能力やスプーン曲げ程度の念力が使える程度でしかない。

その中の一握り…『超人的』な能力を持った者達が『普通科』に通い(即ち光樹達なのだが…)、『神または魔人的』な能力を持った者達が『特別科』に通っているのである。
こんな停留所の待合室で隣に座る者が、見た目とは違い超人的な能力者…または『人外』の者であったとしても、ここではさほど驚くべき事でもないのだ。
並んでベンチに座る光樹と影汰…同じ待合室には数人電車を待っていた。

長ランに下駄履きのバンカラ学生にトレンチコートでスポーツ新聞を読む男…自分の体格より大きな刀を背負う大正女学生風の少女に仕事上がりの風俗嬢に見える女性…AKを肩にかけるベト○ン学生やら、直立二足歩行の毛むくじゃらな生き物…
特に珍しくもない何時もの学園の一風景そのものである。
こんな事で騒いでいたらここではやっていけない…騒ぐ輩は新入りか騒ぎたい奴だけである。

それは…青空の中、ミサイルを回避しながら人が空を飛んでいようが…近くで絶叫やけたたましい破壊音、爆発音や雷鳴が鳴ろうと…香港国際学園内では、ごくごく日常的な風景にしか過ぎない。
光樹も高等部からの入学で最初は度肝を抜かれたが…ここまでくれば大概の事には慣れてしまっていた。
「平和だねぇ…」
「表面的にはそうですね…でも、何か事件があって欲しいと言う言い方ですね、光樹くん…」
すっかり馴染んでそんな会話も出来るようになっていた。

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す