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香港国際学園〜第二部〜二章
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜二章 67

『え?』

つくづく勝手な女、先輩風を吹かせていたかと思いきや、深く沈んだ表情を見せるニセひかる姫…光樹はその『誠一』とやらが彼女の身内ではないかと悟った。

『あいつは僕の兄でいる事より、男のプライドとやらを選んだ挙句、行方不明さ。』

鈴木誠一が、とある超能力軍事組織に幽閉されている事実とその詳細は、当時の彼と面識がある者の中でもごく少人数にしか知られていない(第一部後半)。
これだけ愉快犯よろしく軽薄ぶりを振りまいていたニセひかる姫(誠二)も、新たな熊野一族の候補たる光樹にさえ…いまはこうして曖昧な真実を伝えるに留めた。
そして軽くスカートを押さえながらベンチに腰を下ろし、キャバ嬢ご用達メンソール…ルーシアを咥えた。

『辺里影汰、ヤツは誠一と同じ目をしている。』

光樹はイマイチ話が見えない…どっちかというと彼女の座り位地からパンツ見えちゃいそうで、目のやり場に困っている、かなり話の風向きがシビアな方向にも関わらずである。
彼女はそんな光樹に気付いているのかいないのか、その眉を歪めつつ指先に小さなプラズマを起こし、細身のメンソールに点けた。

『誠一が僕にそうした様に…奴も君を見捨てる。』
『いやぁ〜…その方が有難いです〜』
そんな言葉が喉から出かかるが、冗談でも言える雰囲気でなく、光樹は言葉に困って手持ち無沙汰になった手で、女座りの太股の上のスカートのズレを整える。
生物学上は男に戻っても、顔つきや仕草は女の子そのものの光樹は、最近女物の服しか着せて貰っていない。
やはり流され易い性格だから、すっかり馴染んで…恐らくそこらの女の子より女の子らしかったりする。
まあ、少なくとも目の前の電波女と違いパンツ見せるような粗相はしない。

…と、そんな光樹の『女子力アップ』はさておき、手持ち無沙汰な光樹として、それ以外は『色々考えてみる』事しかやる事が無い訳である。
そうすると、どんどん話に違和感を感じていくのだ。
話自体は真実かもしれない。
だがその真実の一端を、何か彼女の都合良く光樹に理解させようとしてるように感じる。
少なくとも…彼女の兄の件と、影汰の件の関連付けが腑に落ちない。
これが、奴隷ズと刀機なら少し気分も違うだろうが…

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