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香港国際学園〜第二部〜二章
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜二章 66

つまり…光樹ら普通科生徒が都市伝説じみた噂程度にしか聞かされぬ、旧香港国際学園の卒業生、それもその黒歴史の生き残り。
『才英くんといい…なんでこうボンヤリした子に限って鋭いかね?』
『貴女が迂闊なだけでしょ?』
こんな白昼夢紛いの異次元空間まで都合良く構成して見せる程の高ランク能力を持つ女、光樹の物言いには棘が篭り始めていたが、彼女への返答には震えを隠せなかった。

『へぇー?いい度胸してんじゃん?先輩に向かって…随分と強気なモンだ?』

不揃いに伸ばされた前髪の下、この世に在らざる者らしき眼光に射すくめられた光樹。
『ひ…?』
『あ…ビビらしちゃったぁ?いやいやいや、二〜三年前からちょくちょく密入校しちゃ軽〜くキミみたいな後輩くんからかいに来てっけどさァ…流石、僕の見込んだ光樹くんは堂々としてんねぇ。』

ある日突然、自分より何年も前に卒業した先輩が現れて何かと『ありがた〜い』説教を垂れてくれる、学生というシステムを心の底から恨んじゃう状況に光樹は陥っていた。
この電波な女の正体が…かつて学園最強格の片割れ(弟)、熊野一族を裏から牛耳っていたボスキャラ系な方だなぞとは知る由も無い。

『まあ楽にして座りなよ…ってコラ?ベンチじゃねぇよ、正座だ正座!』
なんかもう影汰の更に上を行くドSのタチ悪い先輩に絡まれてしまった光樹は、軽く女の子座り気味で芝生に腰を下ろす。
スタジアムなら『刻の鼓動なんかが聞こえちゃうガ○ダム』並にデタラメな強さを誇るも、プライベートでは事なかれ主義の虫一匹殺せない高校生である。

そりゃすすんで喧嘩はせずとも降り掛かる火の粉ぐらいは払うだろうが、こうして彼女は制御空間を構成しながらしかもリラックス状態で…平均的能力者学生の五倍のエネルギーゲインを持つ、雪菜のリミッター解除並みに覇気を漏らしている。

『いいんだよ…怖がるのも勇気…それが出来なくて、僕の半身、誠一は消えた。』

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