PiPi's World 投稿小説

香港国際学園〜第二部〜二章
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 62
 64
の最後へ

香港国際学園〜第二部〜二章 64

ヒリヒリと痛む後頭部を押さえながらも軽口を叩く影太。

「そういえば次の対戦相手は何組でしたかね?」

「いくら久しぶりの出番だからって聞くのは無いと思うけど……F組だよ」

ああ、そういえばそうでしたね、と返す影太、その一言で光樹は呆れ返ってしまい、そこで会話を止めた。

「全くもう……ん?」


光樹は会話を途中で止めると、何かを窺うように周囲を見渡す。
「…何か…居ない?」
光樹の言葉に、鼻でクンクンと周囲の匂いで探る影汰…最早、警戒の仕草すら人間離れしてきた影汰に、光樹も『何処に行く気なのだろう…』と疑問を禁じ得ないが、とりあえずそれは置いておく事にした。
「…光樹君、キョロキョロするのは素人臭いですよ…でも、何も居てないみたいなんですけど…」
影汰の『素人臭い』発言に、光樹は微妙な表情を見せた。
逆にこの性と暴力の巣窟に慣れる方がどうかと思うのだが…

「本当?…何かに見られている感じがしたんだけどね…」
光樹は影汰の言葉に小首を傾げながら、何かの違和感を探ろうとする。
そして、足元を見て一言、『何か居てないかな?』と問うてみる。
その光樹の言葉に、地面からニュニュッと頭が生えてくる。
生えてきたのは勿論、奴隷ズのぷに子こと量子であった。
因みに、光樹の持っていたスリッパは具現化させた物ではなく、量子が地面から某有名RPGの経験値稼ぎモンスターの如く、地面から手だけ出して渡したものである。

気が付けば影汰と量子の…型番と口径の違う…二挺の大型マグナム・リボルバーが交錯、S&W式にラッチの噛み合う直前、その左手が互いのシリンダーを押さえ込んでいた。
いわゆるフィクション上のガンマン同士がポイント・ブランクでやらかす、危険極まりないジョークな演出であった。

「なんだ…量子さんか。」
「んあ〜…理都や雪菜にケツ持ちさしてた頃よっか成長したべさ〜?」

中等部入学の奴隷ズはその当時の影汰に詳しい様だ。
拳法コンビも同時期から学園で修行、そしてビッグジョーやブラザー音無は見たまんまケンカ屋、烏丸はヤミ医者学生といった具合。
大地はテキ○(露店商)として屋台を構えていたという。

その他…影井とかも…A組の約半数が『支配者無きカオス』とも呼べる時期からこの学園で過ごしている(外伝参照)。
最近、光樹はランクやパラメータで測れぬ、彼らとの差に引け目を感じ始めていた。

軽い睨み合いの後、影汰と量子は共に矛先を収めていた。

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す