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香港国際学園〜第二部〜二章
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜二章 61

吸血鬼真祖…迂闊にその名を呼ぶ事すら憚られる『伯爵』で『吸血鬼の代名詞』にして『頭文字D』なアレの直系に当たるヴィンセント・ラクレイン…。
「主よ?何を聞くかと思えば…私はロード種、闇夜に紛れた薮蚊の如しサーバントと一緒くたにされては困るな?」

日常生活レベルならば…こうして軽口を叩いたり、どこぞの『不幸な女子高生』一人分の重量が加わった棺桶をひょいと持ち上げ(うぷ)、指先ひとつで片手ゴマを回す芸当さえ見せる(げるぉげろげろげろ)。

「確かに『質問には答えてくれた』ね…この上なく、はぐらかされたけど、私も修行不足かな。」

楠凛とて知っていた、数日前の前座試合…そう、ヴィンセントと『現在行方不明だけど多分すぐ近くに居る』如月嶺那との戦闘を思い出せば。

ロード種と分類される『貴族』が『大敵ではない、大嫌いなだけ』と嘯く太陽の下で平時ならともかく、只でさえ消耗の激しい戦闘状態で、どの程度、正気を保っていられるか…。

むしろ干からび塵芥と化す吸血鬼の『一般庶民』たるサーバントの方が幸せだろう。
正気を失う…言葉面では『暴走してパワーアップ』という、お手軽アニメで使い古された鬱気味な格好よさの匂う表現だ。

しかし現実はもっと『汚い』のだ、まともな死すら許されぬ『貴族』にとって。

私闘スタジアムの仮想空間とてリアルに再現されるであろう、いぎたない雌豚の様に泣き叫び『大嫌いな太陽』に許しを請い、くたばりぞこないの蛆虫が如く地面を這い蹲り『大嫌いな太陽』から必死で逃げ惑う、惨めな姿が。

『ごぷ!そろそろ出して…華の女子高生が自分のゲロで溺死なんて…。』
ごめん今この二人マジ話中だから…棺桶の中だから最悪の事態も対処できるし(笑)。
『ちょっとォ(笑)じゃないっしょォオオオ…ごぷげぷ?』

「心配するな主よ?その辺は天宮嬢がキ○プテン翼の『心臓病の人』と同じく、上手く時間調整してくれている。」
「え〜…?ルーマニアでも放送してたんだキャ○テン翼、じゃあ嶺那ちゃんは差し詰め『顔面ヘディングの人』かな?」
…ぶくぶくぶく…
先程まで、あらん限りの不満をぶちまけようとしていた凛はもういない。

「日本の諺…泣いた烏がもう笑う…というのか?主よ?闇の眷属たる私の為に、安っぽい同情で泣いて…。」
ヴィンセントは『確信犯気味に』回し続けていた棺桶を下ろし(…ぶく…ぶく…ぼは…)ふにふにと凛の頬をいたぶる。

「泣いてないもん!」
「では貴様は烏以下だ、○ャプテン翼の『三羽烏』にも劣る畜生だ。」
「誤れっ!この私と三羽烏に!」
二人は軽快なツンデレ合戦を演じつつ、既に放置プレイで『不幸な女子高生と吐瀉物のシェイク』が詰まった棺桶の上に腰掛け、ラヴコメ展開(ぷくっ…し〜ん)。
「主としての命令か?」

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