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香港国際学園〜第二部〜二章
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜二章 58

ルーファスはぼやけた思考を必死に働かせ、状況を把握する。結論…
「う………」
「う?」
「うわあああぁぁぁ………」
ダッと駆け出しその場から逃げ出す。身体能力を極限まで高め、すでに視認できない。
「待て、ルーファス!」
その後を追って走り出す花鈴お嬢様。それを合図に残されたF組メンバーは好き勝手に動き出した(キャプテン不在のため)。理不尽貴族やら危険神父やらは牌洲の指示を完全に無視している。
(ここは託児所かヨ…オイラにゃ手に追えねぇつーのっ!早く帰ってこいよぉ…)
…こうして…
F組を、というか特にルーファス個人を、かなりイタタな災厄の渦に巻き込んだ鈴木誠二…その足取りを追う者、彼が在学当時の卒業生が二人。

…高等部校舎…生活指導室…
数枚のコピー用紙の放り出されたテ−ブルを挟む立花と刀機、AvsF戦のミーティング直前、訪れた鈴木誠二の一件である。

「立花よ…この程度の情報では話にならんだろ?」
「うるせぇ!情報戦は門外漢だ、傭兵時代も剣護と瞳にまかせっきりだったし…。」

立花が何もしなかった訳ではない。
警備局内部の協力者から鈴木誠二…厳密には『桜川ひかる瓜二つの美女』の目撃情報を集めていたのだ。

「旧作のカバーも退屈だと思うが…付き合って貰うぞ新規の作者読者諸君。」
「何の話だよ?ほれ!誠二らしい奴の目撃情報…ぶっちゃけ、イコール事件の調書だがな。」
内容は似たり寄ったり、道行く男子生徒が…桜川ひかるそっくりの美女に、接触を試みて『化かされた』事件が十数件(当然ルーくん含まず)。

「うむぅ…愉快犯のレベルではないか?」
「しかしこの軽薄ぶり、間違いなく奴だ。」

…正気を失い日が暮れるまでボンヤリ突っ立ってる所を警備員に保護され、最後の記憶が『謎の美女』なら笑い話だ。
しかし抵抗力の弱い能力Eランク未満の生徒なぞ…ある者は彼の残り香に発情し突然自慰にふけり、またある者は目が合っただけで失神するまで射精を繰り返したという。
大抵この手の事件は、悪戯好きな魔族出身の人外生徒か、精神操作能力者の悪ふざけで片がつく。
しかし、鈴木兄弟在学時のOB、OGにとって、これは由々しき事態だ。

そう、これが「ただの人外」や「普通の能力者」であったならこの二人もここまで焦りの色を浮かべることはなかっただろう。
しかし相手は5年前の動乱にその中心にいた「熊野」の者なのだ。今もは語られる事のない歴史の中に潜み続ける者たち、「それ」が今、再びこの学園に現れた。

「誠二がどういった理由で再びここに来たのかは分からん……が、あいつが表に出る時は善くない事が起こる事の前触れにしか思えん、故に確かめなくてはならない、奴の真意を……」

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