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香港国際学園〜第二部〜二章
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜二章 48

さすが、ラブコメ漫画の主人公をモチーフにしただけあって、最高に間の悪いタイミングで帰ってきてしまったルーファス、当然話のくだりを聞いていない訳で

「あっあう……そんな……お嬢様いけません……僕たちは執事と主人で……まだ心の準備が……」

「ちっがーう! いや、違わなくはないがとにかく今のは違う!」

「ひとりえっち」やってる所を家族に見られたような恥ずかしい場面、顔を真っ赤にし、必死に説明をして誤解を解こうとする花鈴であったが、やがてルーファスの身なりに所々違う場所を見つけた。



「この服、いつも屋敷が渡している服じゃない。それにこの匂い……」

ルーファスの体からほんの僅かに付いていた匂い、血と硝煙の混ざった戦場の匂い、死の匂いであった。
それに気付いた花鈴だったが、胸の内に仕舞い込み、適当な話ではぐらかそうと考えた。

「ルーファス、お前…汗の匂いがするぞ」
「えっ、走ってきたから、きっとそれで汗かいてるんですよ」

花鈴にジト目で見られて多少狼狽するルーファスだったが、その様子はいつもとなんら変わらない、いつもの「ぽややん執事」だった。


それを『あえて煽って』見せる凸凹コンビ…。

「執事ボーイ?『今日は』S&Wの9o二挺かい?『いつもは』.45口径だったろ?」
ブリジットはルーファスの上着の膨らみからそう判断した…。
「この学園で『男の子なら普通は』大口径かマグナムだろう?」
訝しげな笑み…欧米流皮肉スマイル。

「あの…そう…まるで『少人数で大勢と戦う』工夫、みたい。」
ユリー(ユーリ)は白兵担当で飛び道具は天敵故、銃の性格は理解している。
「すいません『戦ってきた』の間違い…でしたか?」
遠慮がちな彼女の物言いもどこか棘がある。

…皮肉屋と優等生のコンビ、しかも本場欧米ティーンエイジのヤンキー娘ともなれば舌戦は無敵(笑)、おうおうおう?と絡む二人に固まるルーファス、そしてある意味、言いだしっぺだけに引っ込みのつかない花鈴お嬢様。

…はや〜、藪蛇だネお嬢様〜?…ぶっちゃけこの二人も見てないトコでナニしてるかアヤしいんだけどネ〜?…

…と天宮は、初期(10巻ぐらいまで)のシテ○ーハンター並に、ラブコメからハードボイルドに一転する空気の中…高い所から降りられなくなったハムスターの様に、オロオロと救いの目を向けてくる花鈴を楽しんでいた。

「おやおや…いけませんね二人とも?」
ついさっきまで『シィイイイイッ!』とか殺意の雄叫びを上げていた、この二人の『所属組織』の上司、ハーヴェイ神父が嘘臭い程にこやかに仲裁する。

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