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香港国際学園〜第二部〜二章
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜二章 44

「誰だい『そいつ』ら?チャールズ・ブロンソンのお友達かい?」(映画スーパーマグナムより抜粋)
と牧師姿のヤンキー娘、ブリジット・インヴォルグ…嶺那とはまた別の射撃型能力者だ(威力、命中、射程など…肉体強化と同じくパラメータ的な違いがある)。

イチから図面を引いた特注とは言え基本設計はガバメント系…元々が整備性を重視した軍用品だけに高級カスタム銃のベース素体や、コピ−品の参考にもされる銃…ヴィンセントの『お友達』は…そのガバメントの親戚、AMTハードボーラーやLARグリズリーにも似ていた。

それより更にデカくてゴツい奴を右手用と左手用に分けてオーダーしたようだ。
「素手で大抵の物は『叩き斬れる』が、間合いの外はどうにもならんのでな。」

一応、予備弾倉を含めた一部の消耗部品は市販品を加工して流用が可能…でないと補給上の問題が出る…使用弾薬も.454カスール・マグナムに合わせてあったが、通常の市販品の他に専用弾…更なる強装弾だか特殊弾だかの収まったケースも同梱されていた。

ブリジットの隣、彼女に比べて人柄も体型も控えめな、丸眼鏡に赤毛の修道女…ユリー・マクダネルがヴィンセントにおずおずと尋ねた。
「あの…えっと…その…すみません…え〜と…。」

おずおずどころの騒ぎではないユリーの小心者ぶりにも、苛立ちの類を見せる事無く彼女の質問の切り出しを待つジェントルマン、ヴィンセント。

彼が一旦赤黒いインバネスを脱ぎ、香港映画調な二挺拳銃ホルスターを固定し終わる頃、ヤットコさユリーは質問を口にした。
「えっと…その…随分高そうです…けど…全部…自費で…?」
「当然だ。」


ヴィンセント・ラクレイン、吸血鬼である正体を隠す為『貴族』などと名乗ったが、あながち嘘でもないルーマニアの大地主にして資産家である…約400年前からの。

貴族…というか吸血鬼の生活は地元では半ば暗黙の了解、向こうではノリの良い農家が採れたて野菜なんかと一緒に、赤十字経由で輸血用のアレを調達してくる程。
無論、引き換えに家畜泥棒や地上げ屋、或いは吸血鬼以外の『別口』の人外相手の用心棒なんか…暇つぶしに引き受ける…というのが世を忍ぶ、比較的良識ある吸血鬼の皆様の生活であった。

「自腹ですって、ブリジット。」
「へー。」
キラリと丸眼鏡に怒りの炎をともらせたユリーにソッポを向くブリジット…彼女の両脇にも二挺の大型拳銃、デザート・イーグル.50AEが下がっている…。
銀十字を埋めた象牙のグリップ・パネルに『我が右手にラファエル』『我が左手にウリエル』と刻まれていた。

一応量産品、といっても維持費にタマ代を考えると、高校生が使うには高価な部類…無論このコンビにも『スポンサー』らしき存在がいるのだ。


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