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香港国際学園〜第二部〜二章
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜二章 41

「ふにゅう〜?」
凛の耳から鼻から、血の泡が吹き出し始めた辺りで、花鈴お嬢様が制止に入る。
「べ…別にだなっ?ルーファスの奴が居らんでも大体の事は自分で出来るし…(無理)。」

軽く強がっては見せたものの…花鈴の不安は『本物』であった。

時折ルーファスは私用で姿を消す。
主従関係に少々矛盾した雇用条件ながら…日頃カラダを張ってワガママに応じてくれている故に彼女も黙認していた。
多少の揉め事ならばスケさんカクさん…いや、武蔵と小次郎がボランティア同然で引き受けてくれる…そもそも花鈴自身それなりの心得があるので身の危険どうこうの心配はないのだ。

…いいだろうルーファス!貴様も一昔前の少年漫画の様に『実は○し屋』ぐらいの条件を持ってみろ!!…

などと面白半分黙認していた。

ルーファスが居ない間、花鈴が寂しいなどと言う問題ではない…その『私用』とやらから、彼が無事な姿で帰って来てくれるかどうか…。

…東雲の帝王学に反す愚考だな…

神樹家、剣家、ついでに鳳家といった能力者の名門の風潮…配下の者を手駒と割り切るよう叩き込まれる。

…ルーファス…どうせ私の知らん所で漫画の主人公の真似事でもしとるのだろう?…
…命令だ、無傷で帰って来い…そしてなるべく早く…


「という訳だ、ヴィンセント君。」
「フン…事情は知らんが自己完結で納得したかね、お嬢様?」
掌に凛の頭蓋を弄んだまま、シニカルな笑みを浮かべるヴィンセント。

「てゆーか凛を放してやれよ?ご主人様…なんだろ?」
なんかもう当の楠凛は、愛らしい唇を軽く紫に染めながらビクンビクンと断末魔っぽい痙攣を起こしている…。
「丁重にお断りさせて頂くぞ『お嬢様』よ?私に命令出来るのは『ご主人様』だけだ。」
かなり高度な封印により、楠凛と契約を結んだヴィンセント。
楠パパ、力作の魔封じの札により効果的面。
しかしこの使い魔、アシモフ流ロボット三原則に無縁な男…命令には絶対服従、ただし特に命令がなければこのフリーダムぶり。
ゴリゴリと危険な破砕音さえ聞こえてくる握力…。

「なあ凛よ、貴様が直接命令を下せば助かるっぽいぞ?」
「は…ひゃ…にゃ…ひて…。」

「ふむ、承知したぞ主よ。」
ギアス発動、そう…主はただ一言、命じれば良いのだ。

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