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香港国際学園〜第二部〜二章
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜二章 33

「それで?我輩達が本気を出し、相手が銃火器を使用したとして…誰か、何かを失うのか?」
額を撫で、玄人は言う。
「C組の黒星が一つ増えて、本当は戦わなくてもよい人達が怪我をするのよっ!」
「NO!それでも生命には支障はなかろう。そして世の中に戦わなくてもよい人間などいはしない!それとも、己の命をかけて戦うことすら恐れるのか、日本人?」
「う……あ、あなただって日本人じゃない!」
「だが我輩は少なくとも自身の命だけは賭けられる。この学園はそういった者達の集りだった。今は…」
その後を玄人は続けなかった。
…傍ら蒼流、この熱血少年と電波娘(厳密には日本人どころか地球人ですらない)を暖かく見守りつつ『ジュース代…踏み倒す気だ』と小さく微笑む…優しい君は仮面ラ○ダー四号かも。

…ぴちぴち…
「……。」
何時からいたのか、眠たげな瞳でずぶ濡れのげっ歯動物を抱えた神凪晶。
「………。」
常識人にして話し上手な蒼流が特に苦手とする無口系であった。
…一行ごと律儀に三点増やしてる!?…
「…。」
…減らした?気ぃ使ってんの!?…
「あの…教室にラッコ?とかは…。」
「吉田…かわうそ…だから。」

…そうじゃねェだろォォォ!!…

蒼流の心の叫びを無視しつつ、霞がかった瞳で二名のお子ちゃまーずを交互に見やり、珍しく大声を張り上げる晶。
「レイナ!デルリンが!子供泣かしてるーっ!!」

それも違うだろ…
最早ツッコム気力すら無くした蒼流は、仮面の下に無意味な愛想笑いを貼り付かせ、やや現実逃避に気味に『コーヒー代クラス経費で落とせないかな?』と別の思索に入ってしまっていた。


そんな香港国際学園のありきたりかつ平穏な一日を理事長室のテラスで過ごす一人の女性がいた。
女性…外形から見た便宜上の表現だが、その人こそ学園に君臨する女帝、公元主姫であった。

両性具有にして完璧なまでのスタイルと美貌、最高の知性と他を寄せ付けぬ気品を持ち合わせる彼女は、能力者としても最高最強のSSSランク…
学園中の能力者…人外の者が全てかかってきても、彼女を倒す事ができない唯一にして絶対的な存在である。
身体的な特徴は抜きにして、彼女は人間であるが…人の身にして神の域に達した存在であるのだ。
その彼女があの時以来、大人しく学園理事長に修まっている理由…ひとえに自ら学園の『結界』とならんが為である。

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