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香港国際学園〜第二部〜二章
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜二章 32

…扱いにくい人達だけど…言わんとしてることはもっともなんだよな…
…F組は願ってもない相手、しかしC組の残存戦力は…。

「…カルト紛いとか言われながらも…平和への理想があって…。」
「勝てない喧嘩ってわかってんのに…ガキ大将に立ち向かう弱虫…だよな?」
蒼流にも言いたい事は痛いほどわかる…例えこの二人が『ジュース代の¥120ばかし払う気配が全く無い』としても。
「仕方ないですよ…皆が皆、あなた達みたいな…。」

「NO!ならば力無き正義に学園の未来を委ねるのかね?蒼流命!?」
…と大阿門D玄人。

聊か皮肉気味な玄人の物言いに、仮面の下で眉を歪める蒼流、よく南田に脱がされるらしいが、オペラ座のファントムを模したそれは、オッドアイを隠す為だという…。
「C組じゃ正規の選手が足りなくてコーヒー当番の卯堂明、補給担当の七瀬歩…そればかりか天地ファンクラブのランク外能力者まで、アヤセアームズ経由で武器を集めて『女学兵』名乗ってますが…あれは補充兵どころか民兵ゲリラ並の戦力です。」

彼も人付き合いは上手い部類(正義一直線の平原や電波な南田の相手が出来るほど)なので、情報通のマネージャーとして重宝されていた。
ミーティングの際、C組がクラス予算でメーカー純正の現行型AK74ライフルと専用グレネードを仕入れた情報も報告済み…。

「NO!…能力の不備を武器で補うか…戦争末期の軍隊の思想であるな…!?」
正に大阿門D玄人の言うとおり…ランク外、若しくは戦闘適正の低い能力者は銃に頼るしかない。

もしランク差が激しく、補助能力も活かせないとなれば火力。
数撃ちゃ当たる弾幕、至近距離からのマグナム拳銃、或いは反応し辛い遠距離からの狙撃。
「NO…超能力バトルにおいて正に雑魚の戦術であるな…」

「…持ってて…」
南田は飲みかけの魔神コーラを蒼流に預けるなり、玄人の襟首を引っ掴む勢いで頭突きを喰らわせた。
鈍い打撲音と共に彼女のカチューシャ両脇、オレンジ色のリボンが揺れる。
「その雑魚を蹴散らすメンバーに、アタシも平原も…ご高説垂れる歴戦の勇者『ドノ』も含まれてんのよっ!?」

ぐりぐりとめり込む額を押し返すでもなく、避けるでもない玄人の態度が南田の苛立ちを益々増長させた。
「YES!メンバー編成に不満があるなら、委員長殿に申し立てい!それとも…。」

南田はその愛らしい唇をアヒル口に歪めつつ、玄人を突き放した。
「わかってる…わかっちゃいるんだ俺も、南田も…腕っ節はどうあれ、本気でかかって来る相手に手ぇ抜く訳にイかねぇってよ…。」
掌で温くなり始めた缶を転がし、ギギの紅茶を一口含む平原。
「苦ぇ…苦ぇよ…。」

クラス一騒がしいコンビが嗚咽を漏らす。

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