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香港国際学園〜第二部〜二章
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜二章 29

気のせいか、金大地の背中に張り付いた黒っぽい塊が喋っている様な…。
「うちのクラス、控えに至ってはここ二三日でライフルの握り方も知らない女の子まで引っ張り出して戦列に加えてる…。」
舌足らずな、しかし何処かで聞いた声。
「あの天地様に勝ったクラスの『脇役さん』は随分情けないのね?光と影に任せっきりかしら?ウケケケ…。」

 黒っぽい塊から発せられた言葉に誰もが押し黙った、恥じるように、或いは悔いるようにして。
 このクラスの大多数に大なり小なり光樹と影汰に甘える気持ちが有るのは確かだろう、あいつらが居れば大丈夫、どうにかなる、このような思考は精神から苛烈さを奪う結果となってしまった。
 A組の主力にして精神的支柱である『光と影』は一方で他の生徒に良いとは言えない影響をも与えてしまっていたようだ。
 誰も何も喋らない重苦しい沈黙が続く。
 しかし、意外な人物がそれを打破った。
「……さっき話していた黒い塊は何だ……?」
 黒禍紫怨、編入生である彼は1-Aの面々が現在抱えている葛藤など知る筈も無く、只いつもの如く黙っていたのだが誰も打ち合わせの最初から大地の背中に張り付いていた物体に突っ込もうとしなかったので今、この良いとも悪いともつかないタイミングで突っ込んだのだ。
「ウケケケケ…安心していいわよ…ダーリンにくっついて『A組に鞍替えしよう』なんて腹じゃ無いから。」
その…よく喋る黒い粘塊が床を這いずり、ゲル状から人型へ…白髪に赤目、黒い山高帽にローブ姿の10歳位の少女の姿を取った。
「ウケケケケ…ダーリン…?」
「誰じゃお前ーっ!?」
叫ぶ大地に誰ともなし、冷たい罵声が投げつけられる…。

「変態。」
「クズロリ。」
「性犯罪者。」
不気味な少女と大地を中心に、遠巻きな円陣(主に女子)が広がる。
「知らんて!こんな子にダーリン呼ばわりされる覚えあらへんてー?」
涙ながらに弁解する大地。

「この姿…一寸誤解されちゃうわね…ウケ?」
「誤解も糞もあらへんわボケー!?」
憤慨する大地に微笑みかけながら、少女は懐から小さな羽根箒を出し呪詛を叫ぶ。

「ウゥウウ…ガンダァアアアアっ!!!」


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