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香港国際学園〜第二部〜二章
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜二章 21

黒地に銀糸を織り込んだ外套に長身を包んだ、巌が如き様相…ゆらり…。
「いよぉおし!イイよ紫怨?今度から『ゆらり』付きだ!今時な冷静キャラの登場シーン!行ける!半ば強引に学年の主役っぽいクラスに編入希望出した甲斐アリ!えっらっそーぉな『ヅラハゲ教頭』には散々嫌味言われてきたケド?捨てるハゲあれば拾うハ…(ゲシっ)」
『ぽっちゃりさん』にデブって言っちゃダメ『原宿のゴスロリちゃん』に本気で年齢を聞いちゃダメ『ヤケに迫力のある、ブランド物ジャージ着たおじさん』に喧嘩売っちゃダメ…
…的に拳骨が落ちた。

 但し少々遅かったらしく拾うハ……もとい1-A常識人担当の水嶋流は机に突っ伏して何事かを呟いている。
「ハゲじゃない、ハゲじゃないんだよ、心労でちょっと前髪が後退しただけで、ハゲじゃない……」
今まで長髪をキッチリ後ろで束ねていた流だったが(初期設定)、最近は二割程を前髪に垂らしてオデコを庇っている姿が痛々しい。
「・・・。」
白月美幸のハイテンションぶりを拳骨の一撃でいさめていた黒禍紫怨は、父が娘を優しく叱る…そんな仕草で長身を屈め同じ高さの瞳で見つめる。
「うん…わかった。」
とてとてとて…とトラウマ君と化した流に歩み寄る白月。

幽鬼の形相で見上げる流。
「あの…ごめんなさい、悪気はなかったんだ…。」
ノリだけで生きる奔放娘のささやかな…しかし精一杯の謝罪の句に流の頬が緩み、黒禍も小さく微笑み頷く。
「あ…いいんだ、俺も気にし過ぎ…」
「うん!毎日ワカメ食べて頑張れ!」
満面の笑みで(要らん事)言い放つ白月に苦笑いで…悪気は無いんだ、ホンとは良い子なんだ…と流は切り返す。
「アハハ…じゃあ君は毎日小魚…。」
「アハハ…(ひく)…社会的抹殺、決定。」

白地に金糸織りのケープから闇を揺らめかせ…笑顔の裏に影を纏う白月の囁き…疾風の如き死神の列、抗う術は流には無い…。

…何なんだよォオオオ…この『最近の』影汰みたいな理不尽さ…
「えー?やだなー人事部長さんたらぁ?ちょっと『身長の事』触れられた位でセクハラとかパワハラでっち上げて訴訟とか起こすワケないしー?」
…起こす気かァアアア?しかも慰謝料○単位の奴ゥウウウ?…

…と、社会的殺意剥き出しの白月の傍ら、黒禍が小さく微笑み頷いていた。

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