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香港国際学園〜第二部〜二章
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜第二部〜二章 3

「それに……今まで起こったことは多少の誤差はあれど僕の掌から出たことは無いからね」


扉が閉まる。教室に一人取り残された芽衣子は誰に言うともなく、まるで教室を出た珠久に語りかけるように呟いた
「委員長……貴方のその目はどこまで先を……どこまで未来の事を見ているのですか……?」



校舎の中に多数存在する更衣室……校舎の広さと前ほどではないが香港故の騒ぎで汚れた衣服を変える為に各所に置かれている。その一画にルーファス・ラングレーは居た。

「はあ……どうしよう……お嬢様に見られた……一番見られたくないところを……はあ……」
花梨の邸宅で着ている燕尾服から学校の制服に着替えてロッカーを閉めるルーファス、その音は彼の心境を表したように気の抜けた音だった。
重い足取りで更衣室を出ようとしたその時、ポケットの中から不意に控えめな振動を感じ、それを取り出す。液晶画面に映る番号は見慣れた、実に見慣れた番号であった。
「もしもし……今回は何の依頼ですか?」
『ああ、お前も最近感覚が鋭くなってきたな。そうだ、依頼だ』

小さな溜め息を吐き、『依頼』の内容を確認する。一通りの連絡事項を聞いた後、最後に電話の向こうの男が最後にこう付け足した。
『そうそう、今回の依頼は出入り口が多い、もう一人寄越すからそいつと協力してあたってくれ』
そういい残し、男との会話は切れた。携帯を手早くしまい、大きな溜め息を吐き、更衣室から出た。
そのルーファスの目は、無明の闇すらも明るく思えるような昏い昏い奈落の底のような死者の目をしていた。


その頃、普通科1-Aでは緊急のHRが開かれていた。
「よ〜し、桜川と辺里、影井に大地以外は全員いるな!」
理人は教壇に立つと、生徒達を見回した。
「まぁ、知っている者もいると思うが…つーか、ほぼ全員知ってるか…今日から俺達A組に二人、転入してくる。その紹介のために今日は集ってもらった!では黒禍、白月、入ってきてくれ!」
ドアが開くと、廊下で待っていた紫怨と美幸が入ってくる。
一度、遠くから見た事のある者達も間近で見て、その異様なペアに溜め息を洩らした。
「…では二人に自己紹介をしてもらおうか。」
「白月美幸です!能力は召喚!異世界の怪物を召喚できるの!よろしくねっ!」
「「よろしく〜!」」
元気ハツラツとした美幸の自己紹介に和むA組一同。
「あと…ちっちゃい、チビ、ロリータetc.な事を言ったら……抹殺します。社会的に…」
晶に責められた(第二部一章参照)事によりキレてブッ殺すよりは多少、柔らかくなった?美幸だった。
しかし、教室は微妙な空気に包まれた。
しばらくの沈黙の後、紫怨が口を開く。
「…黒禍紫怨だ…能力は降霊…よろしく」
素晴らしく簡潔な自己紹介を終え、教室のテンションは最低までに墜ちた。

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