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苗床日記
官能リレー小説 - 孕ませ/妊婦

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苗床日記 48

「あー、俺だとは思わないのか?」
(そんな白い虎のマーキングプンプンさせているやつが苗床だったら、俺の鼻が曲がるわ)
とケルベロスは返答してきた。
(それで何の用だ?今はお前の臭いで吐きそうなのに)
確かに、ケルベロスは発情期前で気が立っているようだ。
「どういうのが希望だ?」
(雌と雄両方よこせ。雄は強いのがいいな)
ふむ、ケルベロスの希望は男女両方の苗床か。
俺は考え込んだ。男の苗床は、求めるバケモノが滅多にいないから、入荷自体がレアだ。
前もって分かっていたならば注文しておくのだが、今回はいきなりで用意がない。
「悪い。オスの手持ちがない」
申さ訳なさそうにいう俺に、ケルベロスは
(おるではないか。貴様の仲の良いメスの子がな。此度は我慢してやるわ)
「なっ!?」
俺は絶句した。
俺の仲の良い女研究員とは、  遥香(35)
のことだろう。そして遥香には14になる息子と娘がいる。
(何なら苗床2体ともあのメスの子で良いぞ)
(一体なんてこと言うんだ、コイツは)
研究所では、何よりもバケモノの要求、要望に応えなくてはならないという暗黙の了解があり、断ることは余程のことがない限り許されていない。
(明日我は繁殖せねばならぬ。今回叶わねば次は50年後だ)
ケルベロスの繁殖ペースは半世紀に1度と聞いていたが、まさか本当だったとは。
「わかった。遥香と話してくる」
俺は言い置き、遥香の研究室へと急いだ。
遥香の研究室は、俺の隣だ。俺は部屋に入ると、
「あ、どうかした??」
遥香は今、火吹き猿の交配準備をしていたようだ。
「あ、あぁ。ちょっと話しが……」
俺は遥香に、ケルベロスの繁殖期について話した。そして遥香の子供をケルベロスが欲しいと言っていることも。
「……ということらしい」
全てを聞くと、遥香は驚いた表情をした。
「え、ケルベロスがうちの遥と香梨を??本当に??」
「あぁ、そうらしい」
俺は気まずくて、遥香と視線を合わせれない。
こないだ研究室に来てる2人に会ったけど遥の方が成長遅れていて小学生低学年に間違えられるって愚痴ってたもんな。
香梨は逆に発育いいって自慢してきたけど。
あまりの申し出に言葉を失っている遥香。
そりゃそうだ。いくら研究の為とはいえ、
バ ケモノの苗床にするから子供を差し出せ
と言われてはいそうですか なんて言う親はいないだろう。
「やっぱダメだよな。すまない。聞かなかったことに、、っておい!」
俺の話が終わる前に遥香はスマホで誰かに連絡し始めた。
「あ、香梨?わるいんだけど遥と二人に話があるからママの部屋まで来てくれない?」
「うん、うん。わかったわかった。じゃ、待ってるわ」
俺にはわからないが、2人は今から来るらしい。
「まさか、良いのか?」
恐る恐る聞く俺。まさか、な。
「だってしかたないでしょ?お犬様には逆らえません」
まるで冗談でも言う口調で遥香。
「じゃあ、先に花婿様に会わせて?」
遥香は部屋を出ていく。
「ぁ、ああ。」
急いで後を追う。俺には遥香の考えがわからない。
「ここだ。ケルベロスは」
ケルベロスがいる部屋の前に来た。
(なんだ、親のがきたのか?お前の子を寄越せと言ったはずだが)
相変わらずテレパシーで話しかけてくるケルベロスに遥香が答える。
「子供たちは今研究室に呼んでるわ。でもなんで私の子達なの?」
遥香は、ケルベロスに聞く。
(我はお前の息子に興味が湧いてな。我の子を産む雌は強いのが条件、だからこそお前の息子を選んだ)
ケルベロスの真ん中の頭、ケイルの答えに遥香は少し黙り込むと、
「わかったわ。子供たちと相談して決めるわ」

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