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ライオンの星
官能リレー小説 - 孕ませ/妊婦

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ライオンの星 28

エルゴ軍の女たちは傷の多寡にかかわらず、退くことを知らないのだ。
彼女たちは腹に刃が突き立てられても、肩をハンマーで砕かれようと、苦痛に顔をしかめるだけですぐさま反撃を仕掛けてくる。
中には自分の命と引き換えに相手の攻撃を封じたり、道連れにしようとしたりする者までいる。
その様子はまさに神風。死をも恐れぬ特攻兵たちだった。
いったい何が彼女たちをそこまで動かしているのか。
サウザーとベグはおびえるメスたちを叱咤しながら探りを入れるが、彼女たちは何も答えない。
ただただ必死に、淡々と攻撃を繰り返すのみ。
かくして対エルゴ同盟とエルゴとの初戦は同盟軍の勝利でこそ終わったものの、多数の死傷者(サウザーとベグも負傷)を出すと言う甚大な被害を出して終わりを迎えるのだった。
後の世に獅子王レオンのデビュー戦として広く知られる事に成るこの戦いは、エルゴ軍の四百に対し、当時草原有数の実力者であるチャムカの兵六百とその息子たちの兵四百を合わせた総勢千の軍勢で戦われた。
この戦いは当初は倍以上の兵力差が有る為チャムカを盟主とする対エルゴ同盟軍の圧勝に終わると予想されていた。
しかし、レオンの父親であり、盟友であったチャムカと共に極東の両雄と呼ばれていたライガを打ち取り、新興の勢いに乗るエルゴ軍の力は凄まじく、特に初戦で奇襲を許したサウザーとベグのハーレムは、甚大なダメージを受けたのだった。



「おのれ!若造が!とっとと白旗を上げれば良いものを!もう我慢ならん!!このワシ直々に鉄槌を下してやる!!」
自慢の息子の軍勢を散々に叩かれ、おまけに自らのハーレムをエルゴ率いる本体に攻撃されたチャムカは怒りに燃えていた。
「申し訳ございません父上」
「この雪辱は必ず晴らしてご覧に入れます!!」
サウザーとベグは負傷していたが士気は全く衰えておらず、むしろ愛する奴隷たちを殺された事に怒り狂い雪辱の思いに燃えていた。
「いやお前たちは良くやった。絶対不利の状況から曲がりなりにも押し返し勝利したのじゃからな・・・だが、お主たちも多くのスレイブを失い戦力は半減しておる・・・次の決戦時は後方に控えておれ・・・」
父親のこの言葉に侮辱されたと思ったのか、ベグは顔を真っ赤にして前に進み出るが、隣に座っていた次兄のサウザーに腕を掴まれ理性を取り戻す。
確かにチャムカの言う通り、これ以上戦闘型のスレイブ種を失えば、例えこの戦いに勝利しても、その後他のハーレムに攻撃を受けて、自らのハーレムを失いかねない事を認めたのだ。
「で、父上?如何にしてエルゴの首を跳ね飛ばしましょう?」
ベグが引き下がったのを見たキルコは、兄弟と弟分であるレオンを代表して盟主である父に今後の戦略を問いかける。
「うむ!今度の事で奴の狙いは読めた。奴は正面からは戦わず奇襲を繰り返す事で我らの戦力を削り、我らを疲れさせる事で勝利する心算じゃ!ならばワシらは奴を逃げられん場所に誘き出し一気に事を決するのじゃ!!」
そう言うとチャムカは地図の一点を指示した。
「ハ?し、しかし父上・・・この場所ではむしろ地の利を敵に奪われてしまいますが?」
(その場所は丁度山と山の間の窪地に成っており、下手をするとチャムカは桶狭間の戦いの今川義元のように奇襲で首を取られかねない)
「だからこそよ!我々がこの地に足を踏み入れれば、奴は好機と見て絶対に我が軍に対して攻撃を仕掛けてくる!だが、初めから来ると分かっている奇襲などまるで怖くは無い!何よりこの地形では奴もまた逃げる事は出来ん!!」
チャムカは自分のハーレムの防御力に絶対の自信を持っていた。
彼の生涯を彩る数多くの戦闘でも、敵は堅牢なチャムカの陣の防御を抜く事が出来ず、攻め疲れて攻撃の手を緩めた所を逆襲され敗れている。
逆にレオンの父親であるライガは攻撃が得意であり、まだ若い頃幾度か行われた二人の戦いは、攻めのライガと守りのチャムカというのが、二人の戦いの図式だった。
そのライガさえ何時も攻め切れず、引き分けるという結果に終わっている。
勇猛比類なしと唄われたライガだからこそ引き分けで済んでいるのであって、他の敵は全て彼が逆襲に転じると同時に軍を崩壊させ、多くは首を刎ねられるか、自らのハーレムを失いこの草原から去っていった。

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