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ライオンの星
官能リレー小説 - 孕ませ/妊婦

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ライオンの星 22

「酷いなこれは・・・」
翌日レオンはハーレムの中から何人かのスレイブを引き連れ、自分の生まれ故郷でもある父親のハーレムが在った場所にやって来た。
「ああ・・・」
かつては草原でも有数の勇者であるレオンの父が、各地から集めた数百を数える美しいスレイブ種の女達が暮らしていたハーレムは、火を掛けられたせいで緑色の草原の中で其処だけが黒ずんでおり、打ち捨てられた女達の屍骸が蹲っている。
死体の殆ど全ては当然レオンが見知った女達であり、レオンにとって血の繋がりは無くとも家族と呼ぶべき者達だった。
その余りの惨状に連れて来たレオンのスレイブの中には泣き出す者まで出る始末だ。
「アルティナ・・・悪いがお前は皆を指揮して大きな穴を掘ってくれ・・・残念だが一人一人埋葬するのは無理みたいだ」
「解りました・・・」
アルティナはレオンの命令に頷くと、乳牛種のスレイブを指揮して、集落が在った場所のすぐ側に墓穴を掘り始めた。
「キョウコお義母さん・・・俺たちは・・・」
「はい・・・レオン様・・・」
レオンは自分のスレイブに埋葬の用意を命じると、父の奴隷であるキョウコただ一人を連れて集落の中心にある父の大テントが在った場所に向かった。



「ああ!ご主人様!!」
「父上・・・」
集落の中心である大テントの在ったその場所は、この集落で最も悲惨な光景が広がっていた。
レオンの父は最後まで雄々しく戦ったのだろう。
その手に剣を握ったまま事切れており、父の死体の周りには敬愛する主人に殉じる様に、数十人のスレイブの死体が積み重なっていた。
恐らく殆どが主人であるレオンの父を守ろうと奮戦し、戦いの中で死んだのだろうが、中には一度は逃げ延びたにも関わらず。主人の死を知って、死後も彼に仕えようと殉死したスレイブも居る様だ。
「ご主人様!ご主人様!ご主人様あああああああああ!!!!!」
キョウコは自らの主人であるレオンの父親の死体に縋りつくと、まるで幼子の様に泣きじゃくっている。
そしてキョウコの鳴き声に呼応するかのように、レオンの心にも悲しみという感情が湧きあがり、彼の眼尻に一筋の涙が流れ落ちた。
(不思議だな・・・俺は決して父上の事を愛しては居なかったハズだ・・・なのに何故涙が出るのだろうか?)
レオンは焼け焦げ変わり果てたかつての故郷に佇み、何所までも青い空を見上げながら、少しの間だけ自分の心が悲しみに震えるのを許した。


レオンはその日一日かけて穴を掘ると、父親と父のスレイブ達をその穴に埋葬した。



「おお!レオンよ!話は娘からの早馬で聴いておる・・・義兄弟の事は、残念じゃったな・・・じゃがベットでは無く、戦いの中で死んだのは、義兄弟にとってはむしろ本望じゃったろう・・・お主も気を落とすで無いぞ・・・」
「はい・・・チャムカおじさん・・・」
父の死の知らせから三日後。
レオンはチャムカのハーレムに来ていた。もちろん父の仇を討ち、アイコや奪われた父のスレイブ達をエルゴの手から奪い返す為の手勢を借りる為だ。
「それでチャムカおじさん!俺は父の息子として、父の仇であるエルゴを討たねば成りません!しかし、俺のハーレムの手勢では奴には勝てません!どうぞお助け下さい!!」
そう言ってレオンはチャムカに頭を下げる。
「おお!もちろんだ!汝の父とは義兄弟の盟約を交わした身!例え汝が立たずとも我一人でも義兄弟の仇を討とうと思っておった所よ!!」
「ありがとうございます!!」
「ウム!・・・キルコ!サウザー!ベグ!ガウン!ドダイ!汝らも異存は無いな!!」
「「「「「ハ!無論です!!」」」」」
「ありがとうございます!諸兄!!」
用意の良い事にチャムカは親友であるレオンの父の死を知ると、自らの息子たちに予め声を掛けてくれた様だ。
キルコ、サウザー、ベグ、ガウン、ドダイ、の五人はチャムカの息子たちである。全員がチャムカに似て勇猛果敢な草原の若武者であり、成人後チャムカのハーレムから独立し、それぞれが独自のハーレムを築き上げている。
因みに彼らにはレオンの父とチャムカとの友情の証として、レオンの異母姉が独立の時に送られており、それぞれのハーレムで高い位階を与えられているという。
故に今のレオンにとって彼らは心強い味方と言えた。
「皆の者!これは義兄弟の弔い合戦じゃ!エルゴの首をぶった切り!勇者ライガの無念を晴らせ!!」
「「「「「「ハ!」」」」」」



こうしてレオンの父の敵討ちを旗印に、チャムカを盟主とした対エルゴ同盟が結ばれ、長く平和だった草原に久々に大規模な戦争が勃発したのだった。

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