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村の花嫁
官能リレー小説 - 孕ませ/妊婦

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村の花嫁 5

・・・となるとますます理解できないところが出てくる。
そんな危機的状況を理解しながら、なぜこの村の人間はここから出て行こうとしないのか、と。
確かにこんな吹雪の夜に村から出て行こうとするのならバカと言われても仕方がないが、ここが日本である以上、ずっと悪天候が続くなんてありえない。
脱出の機会なんていくらでもあっただろう。
そんな恵美の疑問が顔に出ていたのか、さくらは苦笑しながら説明した。

「もちろん私たちも、お父さんやお母さん、おじいちゃんたちご先祖様たちもここから出ようと挑戦したことは何度もあります。
 でもダメなんです。
 何度出ようとしても、地図を作って準備を整えても、なぜかこの村に戻ってきてしまうんです。
 まるでこの土地が、私たちを逃がさないようにしているみたいに」

さくらの話によればここから脱出しようとしたことはこれまでにも数えきれないほどあったと言う。
理由は農作物の不作や流行り病、天変地異などさまざまだったらしいが。
しかし何回挑戦しても、村から脱出できたことは1度たりともなかった。
東西南北どこから出ようとしても必ずこの村に戻ってきてしまうのだ。
もちろん村人たちだって何もしなかったわけではない。
行く先々で迷わないように目印をつけながら進んだり地図を作ったりと失敗するたびに考え付く限りの対策を練って挑んできた。
だがそんな努力をあざ笑うかのように村人たちはこの土地に戻ってきてしまう。
南へ1直線に進んでいたはずのグループがなぜか北から戻ってきたことがある。
彼らは道を間違えないように木に目印をつけながら進んでいたのだが、そこでわかったのは信じられない事実。
つけられた目印は北から南へループするようにつながっていたということ。
1方向に進んでいればいずれ地球1周してしまうように、彼らは村のまわりを1周して来ただけだったのだ。
方向感覚を狂わせる何かがあるのか、それとも超自然的な力によるものなのか。
さまざまな憶測が飛んだが、結局今に至るまで解明されることはない。
なぜなら彼らにはそれを調べるだけの技術も機材もないからだ。
結果、この村の住人は出ることのできないこの土地で延々と世代を重ねることしかできなかった。
−−−−

「おおーい!村長さん!大変だあ!!」
どんどんと門を叩く音とともに、外から男の声がした。

「どうしたんじゃ?」
権兵衛の前に、その男は駆け込んで来て言った。
「む、む、娘っこが、四人もやってきたんじゃ!!」
「本当か吉蔵!」

そのやりとりは恵美にも聞こえた。
「四人ってことはひょっとしてサークルのみんなかしら?」
今回の登山に参加したメンバーで女性は恵美を入れて5人。ちょうど辻褄が合う。
「お願いさくらちゃん。この縄をほどいて。」
「でも・・・」
さくらはかなり困惑しているようだ。
「逃げる気なんてないから!いいからほどいて!」
「や、やっぱりダメですっ。村の救世主になるかもしれない人を逃がすわけにはいかないんですっ!」
恵美は必死に頼むが、さくらはダメだと言うばかり。
今の恵美には逃げる気などまったくないのだが、逃亡歴がある以上、そう簡単に信用するわけにはかないのだろう。
信用と経歴がここまで大事なものだったのかと、恵美はつくづく思い知った。
だが彼女とてそう簡単にあきらめるわけにはいかなかったのだ。
そこで恵美はさくらに妥協案を持ちかける。
「お願いだから信じて!今、ここに来た4人に会いたいだけだけなのよ!
 何なら縄で縛ったまま、私をそこに連れてってくれるだけでもいいから!ね!?
 さすがに縛られたままの状態で、夜の雪山に行こうなんてバカはいないでしょう!?」
「う〜ん・・・。わ、わかりました。縛られたままでいいのなら。
 で、でもっ。少しでも逃げようとしたら、すぐに人を呼びますからねっ!?」
何とか自分の要求を通した恵美は、提案したとおりロープで縛られた状態で4人の娘たちがいるであろう場所―――村長の家の玄関へと向かう。
するとそこは案の定、村人たちでごった返していた。
村が滅びるか滅びないかの瀬戸際で笑みを含め、5人もの娘たちが迷い込んできたのだ。
この騒ぎも当然のことだった。
人だかりを目の当たりにした恵美は、サークルのメンバーに会えるかもと必死になって人垣に割り込もうとするが、両手の使えない状態ではそれすらもままならない。
やがてしつこくまとわりついてくる恵美に業を煮やした若い男が、振り向くなり彼女に怒鳴りつけた。
「・・・っんだべ!?さっきから人の後ろでちょろちょろと!
 見たいのならオラの後で・・・って、アンタは!?
 お、おいさくら!何、この人さここに連れてきたんだ!?
 もし山ン中にでも逃げられたら、どうするつもりだっぺよ!?」

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