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村の花嫁
官能リレー小説 - 孕ませ/妊婦

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村の花嫁 1

「ど…どうしよぉ〜…」
一人の娘が半ベソをかきながら山の中を進んでいく。彼女の名は岡 恵美(おか めぐみ)、20歳の女子大生である。大学の登山サークルの活動の一環で山にやって来たのだが、仲間とはぐれて道に迷ってしまったのである。
「ふえぇ〜…なんか霧まで出て来ちゃったよぉ〜…」
山で迷った時には無闇に動き回ってはいけない…そんな基本中の基本も知らずに、どこへともなく山中を歩き回る恵美。
とりあえず低い方へ向かえば、どこかの沢に出られるはずだと思い、テキトーに歩いていると、辺り一面に深い霧が出て来て、もはや一寸先は闇…という状況になってしまった。
「何も見えないよぉ…」
恵美は周りの状況が全く分からない中、なおも歩き続けていた。その時である。
「お…おい!!そっちに行ったら駄目だべ!」
「…え!?」
とつぜん男の叫び声がして恵美は足を止めた。辺りを見回してみると、深い霧の中に人影が見えた。
「よ…良かったぁ…!こんな山奥で人に会えるなんて…」
近付いてみると妙に古風な農民のような服装をした中年の男だった。男は恵美を見て目を丸くして言った。
「こりゃあたまげた!まだ若い娘っ子でねえか!有り難や有り難や…これで我が村は救われるべ…」
「へ?何か言いました?」
「いやあ、何でもねえべ。それよりお前さん、危なかったなぁ…。もうちっとで崖から真っ逆さまだったべ」
霧はいつの間にか晴れていた。恵美が男の指さした方に目をやると深く切り立った崖がポッカリと口を開けていた。もしあのまま進んでいたら間違い無く転落していただろう。
「ひ…ひいぃぃ〜〜〜!!?」
恵美は思わず腰を抜かし、その場にへたり込んでしまった。
「いやぁ〜、ほんとに良かったべぇ〜。立てっか?」
「は…はい…ありがとうございます…」
「ところでお前さん、遭難したんか?」
「はい、大学の登山サークル…って言っても実際は素人ばっかりだったんですが…その仲間達とはぐれてしまって…あの、良かったら電話貸してもらえませんか!?」
「…うん、分かった。まずはオラ達の村に来い。話はそれからだべ。ついて来なせえ」
そう言うと男は歩き始めた。
「は…はい!」
恵美は喜んで男の後を付いて行った。何はともあれこれで助かる。自分は本当に運が良い…恵美はそう思っていた。

「さあ、着いたべ!」
その村は山と山の合間の狭い土地に家々と田畑が窮屈そうにひしめき合っている、まるで隠れ里のような村だった。
「あれ…?」
恵美は村の風景を見ていて、ある事に気付いた。舗装道路や電柱など、現代文明の利器たる物が何一つ見当たらないのだ。
(に…日本にまだこんな秘境みたいな場所があったなんて…。まさか電話無いなんて言わないわよねぇ…?)

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