一度の過ちから・・・ 34
めぐみは、やる夫を寝室に残し、冷静になるため独りダイニングで烏龍茶を飲んだ。
本当の話をして嫌われたらどうしよう?
話したところで信じてくれるかしら?
作り話を聞かせて、気まずくなったら嘘よと伝えたら誤魔化せるかしら?
めぐみには、体の関係は重要でなかった。
性的関係は、やる夫を繋ぎとめる手段で、めぐみ自身、性欲が強いわけではない。
求められないならそれでも良かった。
「焦らして欲しいなら、ひたすら拒んでも良いってことよね。」
「ただS女なんて演じられるかしら。」
「それに、過去の男関係を暴露して欲しいというのは、さすがの私も困っちゃうよ。」
独り言を漏らしながら烏龍茶で喉を潤した。
1時間程悩んだ末、少しずつで良いならやる夫の希望に添えるように頑張ってみることにした。
やる夫の居る部屋の前でノックしかけたそ時、ドアの隙間から肉棒をしごいている姿が見えた。
めぐみは、立ち止まり息を殺してそれを覗いた。
1秒に1回にも満たないゆっくりとした速さでしごいている。
粗い息づかいが廊下にまで漏れ聞こえているのに、しごく手はゆっくりのままだ。
「ああっめぐみさん!」
めぐみはドキリとしたが、独り言のようだ。
「社長とは起ちバックでズボズボやってたんですよね?あああ。」
しごく手が止まり、親指の腹で亀頭を擦りあげている。
「僕にはズボズボしてくれないんですか?ああっ。」
「ああっ。めぐみさんは僕の彼女だけど社長愛人ですもんね。」
「ちゃんと結婚するまで、セフレみたいなエッチはしないんですよね。」
「でもぼくもいっぱい射精したいです。はぁはぁはぁ。」
めぐみは、後ずさりしリビングへ戻った。そして、
「やる夫さんちょっといいかしら?」
遠くから声を掛ける。
「あっはーい、ちょっと待って今いくから。」
パタパタ足音を立てながら、めぐみは今初めて来ましたとばかりに近づきながら、
「さっきはごめんなさい。続きを話したくて。」
「ちょ、ちょっと待ってめぐみさん。」
「はいるはよ。」
「あっ!」
やる夫は辛うじて穿きかけたブリーフは、太腿のあたりまでしか上げることができなかった。
彼女の目の前に、限界までシゴキあげたちんぽが天井を向いている。
やる夫は反射的に謝った。
「ご、ごめん。」
「こちらこそごめんなさい。」
彼女から思っても居ない言葉が口をつく。
「自分で弄ったりして本当は私に飽きてきたんじゃない?」
「違います。違うんです。」
「でもしごいてたでしょう?」
「だからごめんなさい。」
「わたしのおまんこよりオナニーがいいってことでしょう?」
「それは絶対違います。」
「嘘!嘘じゃないならオナニーしてみせて。私の前で!」
「めぐみさんの前でですか?」
「そうよ。今ここで。焦らして欲しいっていってたでしょう?」
「いいんですか?」
めぐみはコクリと頷いた。
やる夫は、いわれるがままオナニーを再開した。
すぐに息づかいが粗くなる。
めぐみは、見て見ぬ振りでスマホの画面を見ている。
それでもやる夫の息づかいに耳を傾けていた。
やる夫は、しごきながらめぐみさんの横顔を眺めていた。
部屋の明かりが逆行になって表情は見えなかったが、
長いまつ毛が影を作り、目をパチクリさせる様子はハッキリとわかった。
めぐみは、先ほどどドア越しに聞いた息づかいを今はすぐ横で聞いていた。
激しくしごきたいのを我慢しているのだろうことが息づかいから読み取れた。
スマホをスクロールさせながら、無関心を装っているが、無意識にまばたきの回数が増えていた。
やる夫が耐えきれず話しかける。
「ああっめぐみさん」
めぐみはドキリとしたが、無視を決め込み動きを止めたままツレない返事をした。