一度の過ちから・・・ 19
次の瞬間、めぐみさんの汗が雫となって耳の後ろあたりから首筋に流れ落ちた。
無意識に流れの行く先に目で追うと、匂いの一番濃いところへ伝っていった。
「ねえ、しないの?奥さん待たせてるなら仕方ないけれど。」
めぐみさんの問いかけに我に返った。
胸の谷間からもわもわと匂いがむせび立っている。
「いや。ぼくにはめぐみさんとの時間の方が大切です。」
口をついて出た言葉にやる夫自身驚いた。
そうか!これが本音かと自覚した瞬間だった。
「あら?嘘でもうれしいは。」
「ほ、ほんとうですって。」
「わたしは社長の愛人だと知ってますよね?」
「それでも構いません。」
めぐみさんは、やる夫の真意を確かめるように上着を脱いだ。
ブラウスの脇は汗でべとべとに濡れている。
「こんなおばさんでも?」
「それも含めてめぐみさんの魅力です。」
やる夫は、めぐみさんに試されていると直観した。
故意に無様な部分を見せているにちがいないと。
「奥さんに未練はないの?」
「はい。」
めぐみさんの誘惑は続く。
スカートを脱ぐと、透け感のない分厚いストッキングが露わになった。
すらりとした美脚とは真逆、ムチムチの皮下脂肪をストッキングに閉じ込めた肉感が溢れている。
やる夫が想像していた通りの肉厚感に鼓動が高鳴った。
ストッキング越しに、おそらく水色のショーツだ。
黒いストッキングにビキニの形がクッキリと浮かび上がっている。
「めっ、めぐみさんの方こそ、いいんですか?」
憧れの女の誘惑にやる夫のちんぽがぴくりと跳ね返る。
辛うじて会話をしているが、やる夫の目はめぐみさんのデルタ地帯にくぎ付けになっている。
「ここへ行くように命じたのは社長ですよ。」
「そ、そうだった。社長は、ここに俺が待っていること知ってました?」
タロさんに預けた寧々を取り返しに来たはずが、やる夫の心は予想外の方向へ進展していった。
「いえ、多分存じていなかったんじゃない?私もまさかあなたがいるなんて想像もしてなかったの。」
めぐみは社長に捨てられる予感がしていた。愛人業の直感である。
めぐみは、相手がやる夫と知って乗り換えるチャンスと察知している。
「私達付き合っちゃおうか?」
やる夫の腹の内を探るように言葉を選ぶ。
「でも社長がそんなこと許すはずないですよ。」
平静を装いしゃぶっていた肉棒を指の間に挟み込みゆっくりと前後に動かす。
少し考え込むように間を取ってから応える。
「ばれなきゃいいじゃない?」
めぐみは、社長と円満な振りをしてやる夫と付き合う方が優位に立てると踏んでいる。
畳みかけるように指と唇が肉棒の上を滑っていった。
うふむんっ、ごぷっ。
亀頭からカリ首、浮き出た血管を撫でつけるように指と唇が連続して根元へ向かう。
根本指だけ止まると、唇と舌が反対向きに動き出した。
途中まで戻ると、指と唇がバラバラに往復を始める。
(これならいける!)めぐみは手ごたえを感じていた。
やる夫は、めぐみさんを独占したい衝動を抑えながら、今夜一日で終わるより、
秘密さえ守りと通せばまためぐみさんと会える方がいくらかましだと思った。
「二人で秘密を守ればいいんですね?」
めぐみの術中に堕ちて正常な判断ができなくなっている。
「そうよ。」
「お付き合いお願いします。」
「はい。」
やる夫の心は躍った。
股間を蠢く唇と舌、そして指は一層官能的になっていった。
めぐみさんの濃い唾液が塗り込められた亀頭の上を舌が這い、
すぐに親指と人差し指の腹も這いよってくる。
妻からはこんな刺激を貰えることはなかったし、これからもないだろう。
涎が一層濃さを増し、カリ首に溜まり始めてめぐみさんはしゃぶり続けている。
トロリと唾液がブラウスに滴り堕ちる。
瞬く間に薄い白い生地に染みができ濡れた部分が透けていく。
生地に張り付いていたブラジャーは、水色のものだと鮮明になった。
「めっ、めぐみさん、凄いです。」
このテクニックを仕込んだのが社長なのか、別の男なのか。
たったいま付き合い始めた相手を手中に収めながらも、激しい嫉妬を感じていた。
「めっ、めぐみさん、凄いです。」
このテクニックを仕込んだのが社長なのか、別の男なのか。
たったいま付き合い始めた相手を手中に収めながらも、激しい嫉妬を感じていた。
やる夫の心の変化をめぐみは見逃さなかった。
性的に満たされない夫婦生活を送っていることを見越しつつ。
「このくらいのこと奥さんにして貰ってるでしょう?」
「寧々は、変に真面目なところがあって、こういうことはしてくれないです。」
めぐみは、やる夫が妻を下の名前で呼んだことを聞き逃さなかった。
この男には妻に未練がある。深入りし過ぎずうまく付き合わなければ…。
それにやる夫は、わたしのことを不真面目と思っているようだし、
こういうフェラに憧れていながら、してはいけないことだと思っている。
「お互い好いて付き合っているなら、こくれくらい普通ですう。」