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幼馴染はアイドル
官能リレー小説 - 寝とり/寝取られ

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幼馴染はアイドル 7

先生…か。
これまであまり顔を合わせず、正直言って良い印象のなかった叔父。
2人とも勢司のことを慕い、尊敬している…優は心の底に不思議な思いを感じた。

「これから美和さんの新曲のレコーディングとCDジャケットの撮影を行うの」
真希子が優に説明する。

「これで今年は勝負して、もう一度年末歌合戦を目指すわ!」

ガッツポーズで笑う美和。
それを聞いて優は思い出した。

それは五年前。
涼子が涙ながらに優達に話した事。
年末の一大イベント『年末歌合戦』に所属タレントが選ばれた事。
そしてその年の暮れに涼子は意気揚々と仕事に出て、子供達だけで見たテレビ。
『この人がそうなんだよ』と千早に教えてもらったお姉さんが美和なんだろう。

ぶっきらぼうで無口な叔父が実は凄い人で、『先生』と呼ばれるだけはあると今更ながらに優は思ったのだった。

「じゃあ、スタジオに行きましょうか、先生に挨拶しないといけないしね」

真希子に言われて美和と共に移動する。
そのまま階段で2階に降りると、ダンススタジオで幼馴染達がレッスンを受けていた。

「彼女たちはここにダンスコーチを呼んで練習してるわ・・・それに改めて挨拶と言う訳でもないしこのまま行きましょうね」

真希子は練習を邪魔しないようにスタジオを素通りして渡り廊下へ。
隣の倉庫は2階部分が改装されスタジオになっている。
渡り廊下はそこへ繋がっていた。

「ここがスタジオよ」

中からは歌声が聞こえる。
パワフルな声量のこの声は聴いたことがあった。
真希子は歌が終わるまで待ち、静かに入る。
続けて入った優が目にしたのは椅子に座るサングラスをした男とワンピース姿の女性。
男は勿論、叔父の勢司だ。

「やり直しだ、ただ声がデカけりゃいいんじゃねぇ・・・感情だ、もっと感情を込めろ」

冷たい声だ。
少女はうな垂れる。

「先生・・・美和さんを連れて来ました・・・それと優くんも・・・」

恐る恐ると言った感じで真希子が言うと、勢司はサングラスを取って優を見る。

あの冷たい声でビビり気味だった優だが、勢司が意外にも優しい目だったのでホッとした。

「遼香、暫く休憩だ」
「ありがとうございました先生」

深くお辞儀をする遼香と言う女性。
そう、彼女は優も知っているR&BシンガーRYOKA。
本名は中本遼香、20歳である。

Hカップの巨乳を見せつけるような衣装とセクシーダンス。
パワフルで豊かな声量で歌う彼女は、若い世代(特に男子)から人気である。
その彼女が地味なワンピースとメガネ姿であるのにちょっとびっくりしてしまう優だった。

そして優に一言。

「よく来たね優」
「あ、え、宜しくお願いします先生!」

これも意外な優しい言葉にしどろもどろで挨拶を返した。

「先生だなんてやめてくれ、叔父さんでいいさ」

苦笑する勢司に、優の最初の悪い印象は少し消えた。
ただ、その笑い方のどこか暗い様は気になった。

「兄貴も俺も音楽やってきたが、お前はどうだ?」
「・・・正直、まだ分かりません」

正直な優の答えに勢司は上を向いて考える様子を見せた。
暫くそうしてから、再び優を見る。

「じゃあ暫く手伝いでもしながら良く考えてな・・・ついでだし美和のレコーディング見ていくといい」

そう言った勢司は美和に準備するように促す。
準備をして歌い始める美和・・・

新曲『せめて傍に・・・』は悪い男に惚れてしまい騙されながらも尽くし縋り付く女の歌。
演歌の定番らしい曲調だが、美和が歌うと圧倒されてしまった。
情念の籠った声と仕草。
演歌なんて聞かない優も、男に酷い仕打ちをされながらも縋り付く女の愛と情念が想像できるぐらいであった。

「すごい・・・」

横で聞くプロ遼香がそう呟くぐらい圧倒的だった。

「これでもね、演歌は10万枚売れれば大ヒットの世界なのよ・・・」

歌に聞き入りながら真希子は少し悔しげに言う。
ミリオン近いヒットを飛ばすRYOKAではなく美和を『大功労者』と真希子が言うのも、この歌唱力あってかもしれない。
それでも余り売れないと言うのは、想像もできないぐらい厳しい世界なのだからだろうと優は思った。

「ああ、最初は抑え気味で行く方がいいな・・・それでもう一回行こう」

このレベルでも修正点があるんだとびっくりする。

「・・・レコーディングって大変なんですね」
「私もダメ出しばかりよ」

びっくりする優に遼香が答えた。

そして数回調整を繰り返し、勢司のOKが出て解放。
ハンカチで汗を拭き、フラッと椅子に座って美和は大きく息を吐いた。

「ありがとうございます先生」

やりきった感のある笑顔で美和は笑う。

「いい感触だ・・・真希子、社長と相談してお披露目の番組キャスティングしておいてくれ・・・美和はそれまでにモノにしておけよ」
「はい、先生」

一礼する真希子、更に勢司は言葉を続ける。

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