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幼馴染はアイドル
官能リレー小説 - 寝とり/寝取られ

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幼馴染はアイドル 4

その涼子自身は非常に落としやすい存在であった。

涼子の最初の結婚は前専務である。
この前専務の名は生田良英。
健太や勢司のいたヴァイオレットファントムや数々の人気グループを生み出した名プロデューサー。

ヴァイオレットファントム全盛期に彼は平プロへ移籍し、一時期バンドのプロデューサから離れたが、平プロでいくつものグループを生み出して成功に導き、涼子と結婚。
前社長からも信頼され、専務を任されて事実上の平プロのトップに立った。

そして、妻を喪った失意の健太によって事実上の活動停止だったヴァイオレットファントムを平プロへ電撃移籍させ、第二期絶頂期を演出。
この通り業界人としては素晴らしい業績の持ち主だが、私生活では3度の結婚離婚を繰り返した男。
涼子との結婚も数年で破綻。
それでも有能である彼を前社長は信頼してきたが、失意の涼子と健太の急接近、そして健太の死によるバンド解散・・・
それが彼と平プロの関係を悪化させていった。

そして、彼は自分を味方するタレントとスタッフを率いて突如独立。
それは平プロの殆どの人間であった。

人が好いだけで経営手腕に優れた訳でも無い前社長より前途有望なやり手をほぼ全員が選んだ訳だ。
その中には英田孝輔、恵川晋悟と言う勢司の仲間たちもいたが、彼らも生田について行った。

取り残された平プロ。
スタッフはほぼ空っぽ。
タレントは勢司と10年間鳴かず飛ばずのシンガーが一人と壊滅状態。
そして前社長は間もなく死去。
残された涼子は追い込まれていた。
それでも暫くは残された遺産でやりくりできたが、それもどんどんと目減り。
本当に追い込まれる事態が来た。


一方、勢司はどこからもお呼びがかからず、スタジオドラマーとして食っていく日々。
生田や他のメンバーがきらびやかな世界で活躍する中、数年で業界からも忘れられた存在になった。

同じ平プロ所属で残ったシンガー、佐々江美和と共に酒とセックスのただれた生活に逃げるようになったのも無理はなかった。

そして心の中の嫉妬や復讐心は渦巻き、彼の心を蝕んでいく。
叔父甥の関係でありながら優と生活しなかったのは、そんな彼の荒んだ生活が原因だったのだ。


だが、そんな彼に転機が訪れる。
美和と共に憂さ晴らしで入ったカラオケボックス。
そこで彼女が歌った演歌。

ポップス歌手だった美和。
華がなく声も単調と酷評されてきた美和だったが、荒んだ生活で身に纏った情念とセックス生活で出てきた艶が程よくそれを聞かせたのだ。
それを聞いて勢司の中に何かが目覚めた。

スタジオに籠り曲を作り始める勢司。
そして美和へのレッスン・・・
演歌歌手として再デビューを果たさせたのだ。

再デビュー曲『酒溺れて』は大ヒットまではいかないものの堅調なヒット。
勿論それは、美和の一皮剥けた歌唱力に情念が籠った表現力がヒットに繋がったのだが、それだけでない。
女として艶を纏った美和は魅力的になっていたのだ。
その身体を有力者に提供する・・・
つまり枕営業が成功した訳だ。
それは、勢司のもう一つの能力の開眼でもあった。

この成功で涼子も窮地から脱せた。
それと共に勢司に依存せざるを得ない状況となった。
そしてそれは、嫉妬と復讐心でのし上がろうとする勢司の次のターゲットにもってこいであった。

そう、彼は涼子にも枕営業させようと思ったのである。
その為に彼は涼子を抱いた。
自分と美和の移籍をちらつかせてである。


涼子にとっても悪い話ではない、むしろ好意的に感じてすらいた。
祖父の代から続いた事務所を自分の代で潰すことは絶対にしたくなかった。
そのためには自分の身体を犠牲にすることだって厭わなかった。

こうして勢司と美和は平プロに移籍し、今に至る。
美和も演歌歌手として中堅のポジションでそれなりに頑張っている。
そして、すずや千早らアイドル5人組、勢司が放った第二の矢が彼女たちだ。

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