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ミスコン彼女+そのお友達
官能リレー小説 - ラブコメ

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ミスコン彼女+そのお友達 20

キャアキャア言いながらの2人を僕の部屋まで招く。
一階だけど一番奥の角部屋。
しかも隣は空き部屋なので音を機にする必要性は少ない。
特に騒ぐ事も無かったけど、逆に静かに生活できてる有り難さがあった。

「お邪魔しまーす!・・・おっ、結構いい部屋ね」

悠華ちゃんは遠慮なく入ってきて、史奈ちゃんは申し訳無さそうなのも2人らしい対比。
2人をとりあえずリビングに招く。
一人暮らしするには大きな2LDKだから殺風景なぐらい物が無い。
リビングも洒落たソファーとかなく、こたつテーブルと座椅子とテレビぐらいしか置いて無い。
とりあえず一応置いてある座布団を出して座って貰う。
座布団は大家である親戚から貰ったものの、客を招かないので使う事も無かった代物だ。

「コーヒーぐらい淹れようか?」
「教えて貰えれば、私やりますよ」

僕がそう言うとやはりと言うか史奈ちゃんが名乗り出る。
コーヒーしか飲まない僕だけに一応拘って豆から挽いて淹れるようにしてる。

「ん―大丈夫?これでも拘ってるとこだから難しいかもだけど」
「大丈夫です。任せてください」
意外にも自信もって言い出す史奈ちゃん。
ちょっと頼もしい。

「史奈の実家って喫茶店なんだよ。おしゃれなお店だから一度弘樹くんとも行ってみたいな」
「へぇ、そうなんだ」
「お家のお手伝いで、やったことはあって……でも、お店にいきなり来られると…」

ちょっと戸惑いながらもコーヒーの準備をしていく史奈ちゃん。
手挽きのミルもあるが、今回は電動の方でサッと挽き、コーヒーメーカーにセット。
史奈ちゃんは慣れた手つきでセッティングしてくれる。

「本格的なコーヒーメーカーですよね」
「うん、元々喫茶店で使ってた奴をオークションで買ったんだ」

こう言うのも手に入るんだからいい世の中だ。
簡単に淹れてすぐ飲める訳でないけど、この手間が逆にいいと思っている。

「簡単に飲むだけならコンビニとか缶コーヒーでいいからね」
「そうですよねぇ・・・コンビニでも本格的なコーヒーが飲めるようになりましたもの・・・」

しみじみとした史奈ちゃんの言葉。
喫茶店が実家って言ってたからコンビニなんかに客を奪われているのかもしれない。
そんな話をしていると、コーヒーのいい匂いがしてくる。
やっぱりこう言うのがいい。

「お家でこういうことができるのっていいですよね」
史奈ちゃんはなんだか楽しそう。
「やっぱり料理ができる子の方が男の子は好きなのかなー」
「悠華ちゃんはしないの?」
「うーん…」

「悠華ちゃんは小学生の頃にちょっとした事件を起こしちゃって…」
「……それを弘樹くんの前で言わないでよぉお(泣)」

史奈ちゃんがニヤニヤして悠華ちゃんが焦っている。
立場逆転だ。

「中華は火力だって言ってキッチン焼きかけたのよね・・・それで悠華ママにキッチン立ち入り禁止にされてるの」

ヤダーと言いながら頭を抱える悠華ちゃん。
ああでも、何か悠華ちゃんらしさがあっていい。

「想像できてしまった・・・」
「でしょ?!」
「でしょっじゃないー!」

悪いけど笑ってしまった。
料理が出来なくても悠華ちゃんの魅力は損なわれないと言うか、むしろ可愛さの増すエピソードにしか聞こえないのが流石だ。
そんな事をキャアキャアと言っている間にコーヒーは出来上がったのだ。

「うん、いい香りだ」
「弘樹くんは香りに拘るタイプ?」
「そうだね・・・香りを楽しみながらブラックをゆっくり飲む・・・猫舌だしね」
「あ、分かりますそれ」

コーヒーの趣味は一緒みたいで何より。
飲食関係で趣味が合わないのは結構辛かったりする。

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