僕と彼女と×3 3
「いや、すごいね、なんか」
もうそう言うしかない。
「彰人さん、私たちを拾ってくれたんです…それだったら、その恩に応えなくちゃいけないと思って」
実花ちゃんが言う。
「私たち、なんでもしちゃいますからね?」
悪戯っぽく言うのは凛ちゃん。
そういう3人の着ている服、学校の制服か。
着の身着のままでここまで来たんだろうな。
…この年頃ならオシャレしたいだろうし…
カバンから財布を取り出し、中身を見る。
うん…大丈夫かな。
明日の出勤前か昼休みに下ろしておけばいい。
財布から1万円札を3枚出して、3人に渡す。
「彰人さん…これ」
「これで、好きな服買ってきなよ。いつまでもそれじゃ困らないかな」
「いいんですか?」
「まあ…人並み以上には持ってるから…」
「ありがとうございますっ!!!」
3人とも、とても喜んでくれた。
みんなのためになるなら、多少出費がかさんでもかまわない。
風呂上りのデザートも美味しかった。
彼女たちはかなりの腕前の持ち主かもしれない。
その夜、さすがに寝場所は確保できず、僕のベッドで3人に寝てもらった。
「彰人さんに悪いです!」という3人の言葉は予想できたが、あんなに可愛い子たちに雑魚寝させるのはちょっと悪い気がしたから、何とか説得?して寝てもらう。
僕はリビングのソファーに毛布を被っておやすみなさい。
…ホームセンターか通販でいい布団を探そうかなぁ。
―翌朝
目を覚ますと、部屋の明かりはすでに点いており、キッチンのほうからなにやらいい匂いが。
「彰人さん、おはようございます〜♪」
凛ちゃんがニコニコ顔で毛布を強奪して畳みだす。
「あ、ああ、おはよう」
「どうしました?」
「いや、起きるの早いねぇ、と」
「当然ですよ〜。彰人さんのために朝ごはん作って、元気にお仕事に行ってもらいたいですからぁ」
「そ、そう、ありがと」
「はいっ」
…なんていい子達なんだ。
本当なら僕がまとめて面倒見なくちゃいけないだろうに、僕が彼女たちにお世話になってしまっている。
キッチンでは結衣ちゃんと実花ちゃんが朝ごはんを作っていた。
「彰人さん、おはようございます!」
「うん、おはよう…」
「もうすぐ出来ますから、着替えて待っててください!」
「あ、う、うん」