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僕と彼女と×3
官能リレー小説 - ラブコメ

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僕と彼女と×3 1

夕方―
いつもどおりの帰り道。今日は定時退社日。
夕暮れの中、一人暮らしのマンションの自分の部屋に…

『にゃ、にゃあ〜ん』
…なんと下手糞な鳴き声の猫だ。
気になってその声のほうに視線を向けると…

…おいちょっと待て。何だあれは。
ゴミ捨て場の隣の巨大な段ボール箱。
そこには『拾ってください』の文字。
捨て猫か、と思って見ると、なんとその中には人間の女の子が3人。

ホントはあまり関わりたくないんだけど、そこにいる女の子はみんな可愛くて僕のタイプだったのもあるし、このままほったらかしにして怪しい奴に連れて行かれたら後悔するだろうと思い、僕は3人に近づいた。

見た感じ、中学生か高校生か。
黒髪ロング、茶髪ツインテール、黒髪ショートボブと容姿は三者三様。

「何やってんの君たち」
「お、おにーさぁん…私たちを拾ってくださいぃ…」
ツインテールの子が今にも泣き出しそうな表情で言う。
「拾ってって…何があったのさ」
「訳は後で話しますからぁ…」
3人の中の誰かからか、『ぐぅ〜』というお腹の鳴る音が。

「…うん、まあついて来なよ」
『ありがとうございますっ!』
3人に抱きつかれました。
…可愛い、けど、ちょっと、女の子として少々アウトな臭いが…
…風呂入ってないのか

彼女たちをマンションの部屋に案内し
「とりあえず、まずはお風呂はいって身体洗ってよ」
「はーい」「ありがとうございますー」

バスルームに入る3人、僕はそれを見てスーツを脱ぎ、ハンガーに掛けた。

僕は野中彰人。この春社会人になったばかりの22歳。
親元を離れ一人暮らししたのもこの春からだ。

僕の父親は地元じゃ名の知れた有名企業の社長で、コネだの何だのを使えば就活もせず将来の幹部候補として安泰の道を歩める…のだが、いつまでも親の脛を齧って生きるのは身のためにならないと思い、敢えて親元を離れまったく違う企業に就職したのだ。
…当然、両親を説得するのには苦労したよ。

親の手から離れて暮らすことには成功したが、心配性な母親からは毎日のようにメールが届き、毎月必要以上の仕送りが送られてくる現状だ。
…最初は断ろうと思ったが、もう半ば諦めた。

まあ、そんな状態だから、同居人がいても生活に苦労することもないと思い、あの3人を拾ったというのも事実。
…一人だと寂しいとも思ってたしね。

彼女たち3人が風呂に入っている間に、ふと思って僕は3人が何者なのか知ろうと彼女たちの持ち物を探った。

「秋月結衣」
「鶴岡凛」
「深沢実花」
3人の名前はそういうらしい。

カバンから学校の位置とかは特定できないかと思い見てみる…
すると
「あっ…これ、マジかよ…」

3人が住んでいたのは、先の震災の被災地、しかも事故の起きた原発の近くだった。
彼女たちは家族と住む家を失い、あてもなく彷徨った結果、あんなことに…
…なんともやりきれない気持ちになった。

「よいしょっと」
スーツから私服に着替え、僕はキッチンへ向かった。

いつもなら簡単に済ませる夕食だが、あの日から満足に食べることも出来ていないだろう彼女たちのことを考えると、自然としっかりとしたものを作ろうと身体が動く。

料理するのかって?
ちゃんと自炊してますよ。一応人並みには出来るつもりだ。
それが一人暮らしの楽しみでもあるし。

…下準備が整ったところで、彼女たちが風呂から出てきた。

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