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俺は執事だ!
官能リレー小説 - ツンデレ

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俺は執事だ! 5


「うまく行きましたね、お嬢様」
「ええ!まさかこんなに簡単に騙されるとは思わなかったわ!」
春樹がシャワーを浴びている間に一足早く食事を始めた二人の美少女は、何やら不穏な会話を交わしていた。
「でも、雅・・・さすがに私と春樹がエッチしたなんて嘘、ちょっとやり過ぎじゃないかしら?」
「いいえ、お嬢様!恋愛とは言わば男と女の戦いなのです!・・・である以上、奇襲による先制攻撃は徹底的に行わねばなりません!“目的達成の為に有効であるならば手段を選ぶな”とニコロ・マキャベリも『君主論』の中で述べています!」
「はあ・・・でも私としては、やっぱり、こう・・・もっとロマンチックな方が・・・」
「何を甘い事を言っているのです!?そんな事は既成事実を作った後でいくらでも行えば良いのです!先制のパンチは見事に入りました!あとは反撃の隙を与えぬよう、徹底的に攻めまくるのです!攻撃こそ最大の防御!お分かりですね!?お嬢様!」
「え、ええ!!もちろんよ!!」
姉貴分でもある幼馴染のメイドの勢いに押されるように彩華は首を縦に振る。
(フッ・・・お任せ下さい!お嬢様!この雅、西九条彩華専属メイドの名に賭けて、お嬢様と春樹様の仲を見事プロデュースさせていただきますわ!)

…とはいえ、ここまで来てしまえば後ひと息…実際にヤらせてしまえば良いだけだ。

その夜、一日の職務を全てこなした春樹は、自分の部屋でベッドに横たわって考えていた。
「はぁ…それにしても、やっぱ思い出せないんだよなぁ…」
どうやって行為に及んだのか…そこへ至るまでの記憶すら無いのだ。
当然だ。
ヤっていないのだから…。

そこに、ノックの音がした。
 コンコン
『春樹様、よろしいですか?』
ドアの向こうの声は雅の物だ。
「雅さん…どうぞ?」
 ガチャ…
「失礼いたします」
雅は春樹にペコリと頭を下げて言った。
「春樹様、お嬢様は今夜もあなた様との同衾をお望みでございます」
「ど…どーきん?」
「一緒に寝たいって事ですよ」
「あぁ、なるほど…」
「そういう事です。さぁ、“昨夜と同じように”お嬢様と為すべき事を為さってください」
「あ…あのぉ、雅さん?…その事なんですが…」
「…何です?」
「俺、昨日、彩華と…その…した時の事、何度も思い出そうとしてるんですが、ぜんぜん思い出せないんです…。俺、本当に彩華としたんでしょうか…?」
「春樹様!!」
「は…はいっ!?」
「春樹様…失礼ながら……何という薄情なお方ですか!!事もあろうにお嬢様と初めてお過ごしになられた夜の事を覚えていないだなんて!!そのようなお言葉、お嬢様がお聞きになられたらショックで卒倒してしまいますよ!!」
「す…すいませえぇんっ!!」
いきなり烈火の如く叱責され、思わず謝ってしまう春樹。
「よろしい。この事は私の胸に秘めて置きましょう。春樹様もくれぐれも『昨日俺達本当にヤったっけ?』なぁんてお嬢様にお尋ねになりませんように…。お嬢様は、あれで繊細なお方ですから…。あのお方が傷付くのは私も望みませんからね。…さぁ!話は終わりです。春樹様、お嬢様の寝室へ…!為すべき事をなさってください!」
「は…はいぃ!!い…行って参ります!!」
頭の中に渦巻いていた疑問を半ば強制的に払拭された春樹は、雅に背中を押されるように自室を飛び出したのであった。
その背を見送りながら雅は思う。
(ふぅ…私のお役目はここまで…あとはお嬢様…頑張ってくださいね!)


彩華の部屋の前…
「き…来ちまった……けど…何て言って入れば良いんだ…?」
春樹は考える。
(…『彩華、俺だ』…んん〜…馴れ馴れしいか…『お嬢様、お申し付けにより参りました』…ちょっと固すぎるか…だいたい俺は執事として呼ばれた訳じゃないし…今は私的な立場な訳で…)
…などと、彼が部屋の前で悶々としていると、突然、目の前のドアが勢い良く開いた。
「…んもぉ〜!!遅い!!あのバカ一体いつまで待たせ…って、キャアァァ〜〜ッ!!!?」
「うわあぁっ!!? お…お前!!何て格好してんだよぉ!?」
春樹も驚いたが彩華も驚いて叫ぶ。
まさか部屋の真ん前に居るとは思わなかったらしい。
彼女は殆ど紐のようなショーツにシースルーのネグリジェを着ていた。
ブラはしておらず豊かな胸の膨らみの頂には乳首が透けて見える。
しかし物が良いためだろうか、下品な印象は無い。
「ゴク…ッ」
春樹は思わず彩華の身体(カラダ)に見入ってしまう。
今朝は半ばパニクっていて良く見ていなかったが、改めて見るとなかなか…いや、かなりグラマラスで魅力的なボディラインではないか。
(驚いたなぁ…こういうの着痩せするタイプって言うのか…)

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