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南の島のお姫様
官能リレー小説 - ツンデレ

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南の島のお姫様 4

それから何時間経ったろうか…。正吾は射精した精液も拭き取らず、ソファーに腰掛けたまま、ボケーっとしていた。何もする気が起きないのだ。
辺りが薄暗くなってきた頃、ようやく腰を上げて汚れ物を片付けた。
「変な一日だったな…もう今日は飯食って早く寝よ」
冷蔵庫を開けると晩のオカズになるような物は無かった。今から何かを作る気力も無い。
「しゃあねえ、コンビニ行くか…」
そう言うと正吾は力無い足取りで家を出た。
久留米家の近所には割と大きな公園があった。昼は地域の人々で賑わうが、夜になると全くと言って良いほど無人になる。コンビニで弁当を買った正吾は夜の公園内をトボトボと歩いていた。帰るには少し遠回りになるが、なんとなく歩きたかったのだ。
「あれは…!!?」
正吾が何気なく前方に目をやると植木の茂みを掻き分けて二人の人影が出て来た。
「やっと誰もいなくなりましたね、姫様…」
「まったく、日本の警察はしつこいのう!この私を誰だと思って…」
「お…お前ら、何してんだ?こんな所で…」
「ショ…ショーゴ!?」
「ショーゴ様!?」
「お前ら…帰ったんじゃなかったのかよ!?」
「い…いやぁ、その、な、せっかく日本に来たんだから、ちょっと観光してから帰ろうかなぁ〜なんて思って…」
慌ててバレバレの嘘で取り繕うリリアーナの前にシアが飛び出し、正吾の目の前に平伏して言った。
「お願いします!ショーゴ様!私達をショーゴ様の家に置いてください!!私達には他に行く所が無いのです!!」
「こ…こらシア!みっともない真似は止さぬか!!」
「ど…どういう事だよ?国に帰れば良いじゃないか」
「…出来ないんです…」
「どうして…あ!分かった。お国の政府に出戻り姫なんてお断りだって言われたんだろ!?」
「違ぁーう!!パスポートが無いから出国したくても出来ぬのじゃ!!…あ、言ってしもうた」
「パ…パスポート無くしたのか?」
「いいえ、初めから持っておりませんでした」
「はぁ!?そもそもお前らどうやって日本に入ったんだ!?」
考えてみれば裸で入国審査が通れる訳が無い。
「よくぞ聞いてくれた!それこそ優秀なる我がパラジア王国空軍の仕事じゃ!まずレーダーに映らぬステルス輸送機で日本の上空まで運んでもらい、闇夜に紛れてグライダーで降下する。ほれ、ここからも見えるであろう。あの辺の山中に下りたのだ。そこからは徒歩で…」
「密入国じゃねえか!!!」
というかパラジア王国というのは、近代的な軍隊も持った、ちゃんとした国らしい。正直、正吾は、裸で暮らしているなどと聞いたから、もっと原始的な部族のようなものを想像していた…。

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