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南の島のお姫様
官能リレー小説 - ツンデレ

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南の島のお姫様 5

「…ですから帰りたくても帰れないのです。私達は文字通り裸一貫、本国と連絡を取る術も生活のための資金もありません。お願いいたします、ショーゴ様!どうか、私達を見捨てないでください!私達はアナタだけが頼りなのです!!」
「ん〜…密入国したって自首すれば強制送還されるかも…」
「お前はまだ私を侮辱する気か!?そんな真似、王族として絶対に出来ぬ!!」
「姫様!!姫様もショーゴ様に頭を下げてください!この遠い異国の地で私達が頼れるのは今やショーゴ様ただお一人なのですよ!?」
「分かっている…あ〜、何だ、ショーゴ、お前に私の夫となる栄誉に預かるチャンスを与えよう。当然、どうするかは分かっているな?」
物凄い上から目線。だが頼まれずとも正吾の心は既に決まっていた。
しかし、彼はちょっとだけ意地悪をしてみたくなった。
「やだ」
「何…だと…!?」
「そ…そんなぁ…」
シアはショックで気を失って倒れた。
「俺ごときが姫様の夫になるなんて恐れ多い…ご遠慮させてもらうぜ!」
と言うと正吾は家に向かって歩き出した。もちろんこれは演技。傲慢ちきなお姫様を少し懲らしめてやろうと思ったのだ。
「ま…待って!!」
「何だよ?もう話は終わったろ。最寄りの交番なら公園出てすぐそこだぜ…」
正吾は内心ほくそ笑みながら振り返った。
「……!!」
彼は思わず言葉に詰まった。そこには目いっぱいに光る物を溜めた褐色の美少女の姿があったからだ。
「え…あ…いや…その…」
「うあぁぁぁん!!!!ごめんなさぁ〜い!!!助けてくださいぃ〜!!もうショーゴしかいないのぉ!!!妻じゃなくていいからぁ!!召使いでも奴隷でも良いからショーゴ様の家に居させてくださいぃ〜!!!」
次の瞬間、リリアーナは正吾の足元にすがりついて、せきを切ったように泣きじゃくった。もはやプライドも何もかもかなぐり捨てての号泣だった。次の瞬間、正吾は自分でも驚くべき行動をしていた。彼女を抱き起こし、その小さな唇に自分の唇を重ねたのだ。
1分も無かったかも知れないし、10分くらいあったかも知れない。二人は唇を離した。お互いの心臓が高鳴っているのが分かる。
「帰ろうか…リリィ」
「うん、ショーゴ!」
「う〜ん…あ!姫様!この上は致し方ありません!入国管理局に出頭を…て、あら?」
意識を取り戻したシアは二人の仲睦まじそうな様子を見て訳が分からないといった様子である。
「何をしているのだ、シア?行くぞ」
「は…はい、姫様!」
そして三人は歩き出した。

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