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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 72

激闘の末の重賞三連勝・・・
仁藤はスターライトブルーの次の予定をスワンステークスと考えていた。
それと帰厩したシロノライデンの予定を京都大賞典とし、合わせて樹里に報告したのだった。

「交流重賞ですか?」
「はい、2歳馬ではダートのレースが中央に少ないので、この機会に挑戦してみるのがいいかと」

仁藤から話を受けてた樹里。
交流重賞は地方と中央の垣根を超えて制定された競争で、地方のビッグレースに重賞としての格付けを行ったものだ。
これは中央のダート馬にとって朗報と言え、また地方馬としても中央のビッグレースへの門戸が広かったとも言える。
そして仁藤が言うエーデルワイス賞は格付けでJpnVとなる2歳牝馬限定のレースだ。
これにフルダブルガーベラを参戦させようと仁藤は考えていたのだ。

フルダブルガーベラは前走の芝では苦戦して5着。
仁藤や澪も芝ではかなり難しいと考えていた。
ならば、ここは交流重賞に活路を見出し、年末の全日本2歳優駿を目指すプランを考えていた。

エーデルワイス賞はダート1200m。
現状気の勝ったフルダブルガーベラだからスピードで押し切れる距離だと思う。
前走も1200ではあったが芝の走りは向いていないのは明らかに見えた。
ただ、仁藤も樹里もいずれはフルダブルガーベラに長めの距離を走って欲しいと思っている。

エーデルワイス賞は北海道の門別競馬場で行われる交流重賞。
2歳の早い時期の道営所属馬は函館や札幌のレースでも度々勝利するなどレベルも高い。

だが、フルダブルガーベラなら勝負できると仁藤も澪も考えていたのである。

そして秋のG1がスプリンターステークスから始まる。
ニホンピロウィナーが毎日王冠から天皇賞に挑戦を表明し、本命なき決戦と言われていたこの競争の勝者は・・・
京成杯オータムハンデの惨敗から短距離路線に活路を見出したタカラスチールが大穴を空ける大波乱から始まった。

そしてその次の週は、2歳1勝クラスのサフラン賞にウィンドフォール。
2歳G 3サウジアラビアロイヤルカップにリュウノラモーヌ。
そして、京都大賞典にはシロノライデンが出走する。

どれも楽しみなレースで、樹里も関東から関西へ移動してでも観戦するつもりでいた。
奥原からも2頭の調子が良いのも聞いていたし、仁藤からはシロノライデンも好調と聞いている。
戦前の予想でも、3頭全てが一番人気になるだろうと言われていた。

ウィンドフォールもサウジアラビアロイヤルカップに登録しており奥原は2頭出しも考えていたようだがどちらも澪が前走で乗っていたこともあり使い分ける方針に。
ともに府中のマイル戦なので出走頭数は少なめに。
澪も土日で府中と淀の移動はハードだがいい馬に乗れるのだからまったく苦ではない。

その土曜日。
ウィンドフォールもリュウノラモーヌも人気通りの順当勝ち。
全く危なげない勝利だった。

この結果で、奥原はそれぞれ次の目標を2歳G1、朝日杯フューチュリティステークスと阪神ジュベナイルフィリーズに定めたのだ。

そして日曜日の京都大賞典。
天皇賞に向けた最後の調整とも言えるレースの一つ・・・
本来ならここに皇帝シンボリルドルフがいてもおかしくないのだが、ルドルフはぶっつけ本番での天皇賞参戦となっていた。

宝塚記念出走取り消しから調子を大きく崩してしまっていたルドルフ。
一時期引退も検討された程であり、様々な事が試された結果、何とか回復していっていた。
現状は、天皇賞には間に合いそうと言われていた。
シロノライデンにとっては、G1馬としてだけでなく、ルドルフとの再戦の為にも負けられぬ戦いである。

G1を制覇して夏はゆっくり休養したシロノライデン。
その雄大な馬体は風格すら感じさせるようになっていた。
スズカコバン、シンブラウンと言った今まで戦ってきたライバル達より抜きん出ている雰囲気があった。

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