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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 406

ただペースはかなり速い。
普通なら抑えたり手前を替えたりとレース配分を考えるべきだが、石原は調教でも下手に指示を出すと機嫌を損ねるツインターボを知るが故にあえて何もしない。
むしろ自分の仕事は背中から落ちずにゴールする事だと理解していたのだ。

「速いペースだなぁ・・・」
「速いですなぁ」

見守る笹村の想定より速いペース。
厩務員とそんな話をしていたが、あまり不安感は持っていない。
ツインターボの馬体の小ささに不安視する関係者も多かったが、逆に笹村はその小さな馬体に宿るポテンシャルに目を惹かれていた。
故にわざわざ涼風ファームに足を運んで預かりたいと申し出た訳だ。
ここで負ける器とは全く思っていなかった。

そして当のツインターボの方は鞍上の石原にお構い無しにスピードを緩めぬままコーナーを回っていく。
脚の回転が早く小柄な故か、コーナーリングはかなり上手い。
スピードを殆ど殺さず先頭のままコーナーを駆け抜けると、後続との差はかなり開いていった。

石原も後ろを確認するとかなりの差があることに気づく。
これならノーステッキでも行き切れるかもしれないとすら思う。
その方がツインターボの機嫌を損ねることなくレースができるからだ。

結果、石原の思い描いた通りにツインターボは逃げ切ってデビュー戦勝利を収めることができた。
ただ、最後はさすがに脚が上がってしまった。


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