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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 52

スターライトブルーは涼風ファームに戻り、療養生活を送ることとなる。

「故障と言っても程度は軽い。僕も全力を尽くしてトレーナーが想像しているよりも早く回復させてレースに戻せるようにしよう」
獣医でもあるエリックが付きっきりで面倒を見ていた。

北海道は短い春を迎え、馬産地では仔馬の誕生があちこちから知らされる。
涼風ファームでも4頭の仔馬が無事生まれた。

そんな中で樹里も涼風ファームに久しぶりに行ったのだ。


いつものように満面の笑みで迎えてくれる真奈やスタッフ達。
そしてエリック達4兄弟。
その雰囲気に樹里はピンとくるものがあった。

「よくおいで下さいましたオーナー」

柔らかい笑みで迎えてくる幸子。
なんだか更に女らしく若々しくなった気がする。

「ご無沙汰してすいません・・・生まれた子馬達とスターライトブルーはどうですか?」
「子馬の方は元気ですよ・・・でも」

少し言葉を濁した幸子。
実はスターライトブルーの復帰プランに関して、ラルフとジョンで揉めているらしい。

「いやさ・・・兄貴は直ぐに復帰させると息巻いてるけどな・・・コイツの精神的なケアの方が大事だと思う」
「それは問題ではない!レースに出せる馬は出すべきだ」

三男と末っ子の言い合いを楽しそうに上の兄弟が見ている。
エリックによると、どちらも正しいと言う事だ。

「俺は日本の調教技術を考えると、ここで時間をかけるべきと思うがね」

ヘンリーはラルフ派のようだ。

「エリックはどう思ってるの?」
「馬自身はいつでも走りたいと思っているだろう。怪我自体もほとんど治っている。どちらの意見に従ってもうまくいくはずさ」

それだけ彼らは自分の腕に自信を持っている。心強い存在だ。

「とりあえずジョンに乗ってもらって実戦に近いスピードまで走って問題がないか見極めようか」

そんな話が決まり、樹里達はスターライトブルーの馬房に向かう。
そこには百合が居た。

先に行ったジョンが何やら百合に言葉をかけると、百合はブンブンと首を横に振り・・・
そしてギュッとジョンに抱きつく。
そんな百合の頭を撫でながらジョンは肩を竦める。

「ユリがこの子今日は走りたくないって言ってるってさ・・・だから無しだよ兄貴達」

それを聞くラルフはやれやれと言った表情を見せる。

「走る気にさせるのが俺達の仕事だろ?」
「走るのが好きな子が走りたく無いって言ってるんだ・・・仕方ないだろ?」

ジョンは百合の頭を撫でながらそう言う。
抱きつく百合の顔はうっとりとしていて、ジョンが相当懐かれてるのが分かる。

「どうするヘンリー兄貴?」
「ユリの感覚は確かだ・・・仕方ないな」

ラルフに振られてヘンリーも肩を竦める。
どうやら百合の感覚には兄弟達も一目置いているらしい。
それにホッとする女性陣。
彼女達のやり方なら休ませる方を選んだだろう。

「なら決まりだ、スターライトブルーは少し時間をかけよう・・・夏以降の復帰でいいよな、オーナー?」
「任せますわ」

エリックの言葉に樹里は依存無い。
むしろこうやって4兄弟が色々意見をぶつからせつつ最良の選択をしようとする所に好感を持てたのだった。


そしてその夜・・・
ゲストハウスの樹里の部屋の扉が開いた。
現れたのは、エリック。
そして真奈と幸子だった。

完全に女の顔になってエリックの横に寄り添う2人。
気付いていたが、やはりそうだったようだ。

「そう言う事なのね」
「ああ・・・真奈は俺の子を産ませたいし、その母親と共に抱くのがいい」

察していたが、やはりそう言う組み合わせだったようだ。
ヘンリーは敦子、ラルフは裕美、ジョンは勿論百合とカップルになっているのだろう。
そして、幸子と真奈がガウンを脱ぐと・・・
首輪とハーネス、乳首ピアスと、しっかり調教済みのようだ。

「オーナーにはこんな素晴らしい人をここに連れて来てくれた事を感謝しています」

そう微笑む真奈。
独り身の辛さを思い知った樹里だけに、欲を満たせた彼女の気持ちはよく分かる。

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