PiPi's World 投稿小説

駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

の最初へ
 46
 48
の最後へ

駆ける馬 48

明るく振る舞うジョンはすぐに幼い娘たちの人気者になった。
樹里の娘2人に、敦子の娘たちも彼と楽しそうにキャアキャアと遊ぶのが当たり前になってくる。

「怖くナイヨ、馬はボクらのトモダチなんダ」

ジョンは彼女たちに積極的に馬とコミュニケーションを取らせるようにもなった。

そんなジョンは百合の馬との接し方にも一目置いていた。

「彼女は面白い人だね」

そう言ったのは、休憩がてらに樹里を押し倒しながらだった。
こうやって4兄弟は日中も樹里を隙を見て抱きにきていたのだ。

「んあっ、ああっ・・・彼女は障害があるからっ、優しくしてあげてっ!」
「障害?・・・それは彼女の魅力だよ・・・その魅力があるから彼女は可愛くて面白いんだ」

百合の障害の事も気にする風は無いジョン。
10歳程年下のジョンのそんなイケメンぶりと、若いとは思えぬぐらいのテクニックに樹里はときめいてしまう。

「でもジュリは最高だからね!」
「んいいっ!もうっ、そんな事ばかり言ってぇ!」

先程エリックは真奈が気になると言っていたし、4兄弟は少しずつターゲットを決めていってるみたいだった。
離婚してからたまに祐志に抱かれはしたが、男は殆どご無沙汰の樹里。
4兄弟のテクニックに祐志に開発された身体が燃え上がってしまっていた。
いつしかジョンにしがみつき、甘い声を上げていた。

「ああっ、もっとっ、もっと頂戴っ!!」
「ふふ、可愛いジュリがお望みなら」

ジョンが若さ溢れる突きで樹里を狂わせていく。

ただ欲望のままに犯されるのとは違う。
パワーとテクニックと、紳士的な愛。
そのすべてに樹里は身も心も蕩けさせられていく。

彼らの心強さは大いに感じつつも、それに伴う小さな不安も感じる樹里。しかしそれはすぐにかき消されていく。


前走ダイヤモンドステークスで初重賞制覇を飾ったシロノライデンはその後も順調で予定通りに阪神大賞典に駒を進めてきた。
今回のライバルはスズカコバン、シンブラウン、メジロトーマス…前哨戦のGUだけあって実力馬もそろう。

そしてスターライトブルーはホープフルステークス後に少し体調を崩した事を考慮してレース間隔を空ける事になった。
次走は毎日杯の予定とし、そのレースで今後のクラシックをどうするかの最終判断をする事になったのだ。



そのクラシック戦線は開幕前から大騒動に見舞わられていた。
大騒動を起こしたのはクラシックの主役候補の一頭、シリウスシンボリだった。


シリウスシンボリはここまで4戦2勝。
その能力は世代トップクラスとの評判通りの走りをしていた。
だが、オーナーにとってはこの成績に不満があった。
調教師に騎手の乗り替わりを要求したのだ。

馬主の乗り替わり要求は少なくは無い。
だが調教師もプロとして判断して騎手を乗せているから全ての要望に従う訳では無い。
しかもシリウスシンボリの悪癖であるゲート難をマシにしたのは調教から騎乗してる主戦騎手だった。
それを理由に乗り替わりを拒否したのだが、あろう事かオーナーが厩舎を変えてでも乗り替わりをさせようとしたのだ。
それが美穂全体を巻き込む事態に発展する。

そのオーナーの仕打ちは気難しいシリウスシンボリを必死に宥めつつ世話をしていた厩務員に対しても酷い仕打ちだと厩務員組合が反発したのだ。
故に転厩先で面倒が見れず、オーナーと調教師の話し合いの末に結局シリウスシンボリは元の厩舎に戻される事になる。
これによりシリウスシンボリの調整は大幅に遅れて若葉賞からのスタートになったのだ。


そんな騒動が競馬界を駆け巡る中での阪神大賞典。
関西の馬主席でもこの話題は持ちきりになっている。
だが、オーナーである彼らだったが。

「あれはいけませんなぁ」
「いくらなんでも酷い仕打ちですな」

彼らもベテランオーナーであるが、そんなシリウスシンボリのオーナーのやり方は認められないようだ。
それはそうだろう。
彼らは会社の経営者でもある。
人間関係を最も大事にしているからだ。
それは樹里も一緒だ。

SNSでこの小説を紹介

スポーツの他のリレー小説

こちらから小説を探す