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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 401

トウカイテイオーはそのままリードを保って押し切る快勝劇。
ナイスネイチャもよく追い込んできたが、評判馬テイオーの前では成すすべもなく。

「やっぱり…格が違うのかしらね」

テイオーの強さを目の当たりにして樹里はそう呟く。

そんな樹里に対して、調教師の松中善勝は笑顔だった。

「ネイチャはまだ身体も出来上がっておらず、3歳の秋以降から力をつけてくると思ってますわ・・・それがこの時期にこれだけやれるのだから上出来やと思いますわ」
「テキの言う通り、きっと秋にはアレといい戦いができます!」
担当厩務員である馬込も同じように言葉を続ける。
馬込にとっては、ネイチャが今まで担当してきた中でも最上級の素質馬だった。
それ故に人に対してはやや我儘な所があるネイチャにこれまでの担当馬以上の愛情を注いでおり、ネイチャも馬込の言う事には素直に従うようになってきている。

「そうですね・・・オーナーが信じてあげないといけませんね」

2人の言葉に樹里はそんなふうに微笑んだのだった。


その週明け頃・・・
年末までの騎乗を終えアメリカに帰るエイミーの送別会が濱松厩舎で行われていた。

彼女の成績は世界のレベルを日本に知らしめる衝撃の内容だった。
破竹の勢いで勝ちまくった彼女に、世界に追いつこうと努力するホースマン達はまだ世界の差があると知らしめる結果となった。

一方のエイミーは自国で自信を失いかけていた中での来日しての騎乗で、当初は不安しかなかった。
それが寛子や?松厩舎のスタッフたち、それにアクアパッツァなどの馬に巡り会えたことですっかり自信を取り戻し、短期間で凄まじい成績を残すまでになった。

「また日本に来てね、エイミー」
「もちろん!絶対戻ってくるわ!」

満面の笑顔で上機嫌でそう言う寛子。
彼女としては他厩舎の馬に乗せたい悠の穴を埋めてくれてもなお余る程のエイミーの活躍で随分成績を上げれた。
上機嫌なのも当然だろう。

「いやぁ・・・向こうのトップは流石の腕前だったよねぇ」

勝負してみたかったよなと呟く澪。
残念ながら大きなお腹の彼女の復帰はまだまだ先・・・
それでも見ていて勉強になる3ヶ月だった。

「また勝負しよう!」
「今度はアメリカでね」

悠とエイミーはそう言い合う。
若き天才と呼ばれ破竹の勢いの悠だが、最早彼が争う相手は同年代にはおらず、ベテランのトップジョッキーばかりになっていた。
それに物足りなさを感じていた丁度その頃に、同年代で勝負できる相手と出会えて楽しかったのだ。

エイミーは再びの来日……もしかしたら年内かもしれない……を悠や澪、寛子たちに約束してアメリカに戻っていった。

一方、日本を新しい家としたエイミーのかつての相棒・サンデーサイレンス。
本格的な種付けシーズンを直前に控えているが、馬産地の評判は半信半疑といったところだった。

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