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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 39

大抵の競走馬は繊細で、いつもと違う環境に置かれるとナーバスになってしまう馬も少なくない。
長距離輸送ー関西馬の場合、関東や北海道などのローカルへの遠征ではこれによって大幅な馬体重減もよくあることだ。

しかしスターライトブルーにはそんな心配が一切なかった。
初めて入る遠征馬房でも戸惑う様子はなく、カイバもモリモリ食べる。
寛子も様子を見に来た競馬会の職員や取材に来た記者に「この馬ホントに初遠征?」と聞かれるくらいのマイペースぶりだった。

そんな風にスターライトブルーが落ち着いているのは、寛子がいるからだ。
慣れない所に来たかどうかより、寛子が居るか居ないかの方が気になるタイプだったりする。
そして最近は澪にも慣れてきている。

澪も逆に慣れてきて癖も分かるようになってはきた。
今のスターライトブルーは好調なのは確かだ。
だが、好調とて落とし穴はある。
このイレ込み・・・
つまり張り切り過ぎて体力を消耗させる事が怖いのだ。
特にこのホープフルステークスは2歳戦最長距離のレースなのだ。

「少し落ち着こうね」

鬣を撫でながら澪は落ち着かせようとする。
走りたい、走りたいとウズウズしているのは分かる。
そして、いつもと違う舞台であるから余計に意気込んでいるのも分かる。
だが、それだけで乗り越えられるレースではない。

2歳戦とあって、全体的にみんなチャカチャカしてイレ込み気味ではある。
馬が若いからなのだが、その中で不気味な程落ち着いた大人の馬がいた。
スクラムダイナだ。

気性が荒い事で有名なディクタス産駒。
だが、スクラムダイナはどっしりと落ち着いていた。

スクラムダイナは現在5番人気。
新馬戦、1勝クラスと連勝中だが他にも勢いのある馬がいるためか意外にも評価は低かった。

1番人気は同じく2連勝中のサクラサニーオー。
スターライトブルーと同じパーソロン産駒でパドックでも少し煩さを出している。

府中の特別戦でレコード勝ちしたロードキルターとスターライトブルーがその後に続き、新馬戦圧勝の1戦1勝馬トウショウサミットがスクラムダイナと4、5番人気を行き来する単勝オッズとなっていた。

本馬場に入ってスターライトブルーのイレ込みは治らない。
普段より気合いが乗っているとも言えるが、暴走しがちのスターライトブルーの気合いは怖くはある。
ただ、少し流して走った感じでは高揚感や快感は感じるものの変な疼きは感じなかった。
言うなれば、レイプされてるから愛のあるセックスに変わった感じかもしれない。

自分の方は大丈夫だ・・・
レースが終われば股間はビチャビチャかもしれないが、それはむしろ心地良く乗れた証みたいなものだ。
連日寛子にヤッて貰って快楽慣れしたのもあるし、開催日前日から入る事を義務付けられている調整ルームでもたっぷりオナニーした。
特に調整ルームは唯一の女子とあって他の騎手から離されているのもあって、激しいオナニーしても安心なのはある。
寛子から貰った極太バイブで性欲を発散して眠り、早朝にはジョッキールームで他の騎手と挨拶したり朝食を取ったりしていた。
その時から好調だった上に、落馬した騎手の代役で騎乗した2戦で2勝と調子がいい具合に上がっていた。

少なくとも乗ってるだけでイッてしまいそうだった前走のような感覚はない。
似たようなことはあるけど心地良いと思えるようになった。
寛子に調教してもらったせいなのかなぁと思うと苦笑いしそうになる。

ゲート後方での輪乗りでもスターライトブルーは若干イレ込み気味。
ただこれはいつもの事に近いし走りたくてウズウズしてるだけなので澪も問題にはしない。
近くにテレビカメラがあってそれに興味津々の様子。

「なかなか良い馬に乗ってるなぁ」

そんな澪に声をかけてきたのは目下のライバルになる1頭、トウショウサミットの鞍上の高島騎手だった。

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