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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 342

答えるその顔は、母親半分女半分と言った顔であった。

幸子がスターオーと交わった事は亜紀から聞いていた。
そしてそれ以降、幸子はエリック以外の男達からも身体を求められているようなのだ。
彼らにとって馬と交わる牧場のママは素晴らしい存在のようだ。
まあ、詳しくは聞いていないが、彼らの故郷スノーベリー牧場でも偽牝台を使った馬との行為があったんだろう。

「あの・・・それで、お身体の方は・・・」
「大丈夫ですよ、赤ちゃんはあれより大きいのですから」

馬のシンボルが人間とは比べ物にならないぐらい大きくとも、それが人間の赤ん坊より小さいのは出産経験のある樹里にも理解できる。
それに大きいモノで貫かれたからと言ってガバガバになると言うものでもない。
実際幸子も馬と行為しながらも人間のモノも十分締め付けれていた。

「私の身体で慣れてくれたら・・・いつかちゃんとお仕事も・・・」

精子の動きの悪い現状、受胎率の面で種牡馬としては難しいスターオーだが、毎日の幸子との行為でやや改善が見られるらしい。

足元と体質との戦いに明け暮れた現役生活で、クラシックレースを2勝した輝かしい成績を持ったサクラスターオー。
その血を残したいと思うものは数多くいる。
エリックやヘンリーも現実は厳しいと思い覚悟しながらもあきらめきれないのは、そういう思いを抱いた人たちとの交流が築かれたからである。

「吉野さんは、あの子に改善の兆しが見られたらソフィアちゃんと試してみてほしい、って言ってくださったんです」

それ以外にもサクラのオーナーからも種付けの依頼があるようなのだ。
そう話す幸子は母親の顔だった。
何か自分が子作りから引退した分、スターオーにその気持ちが載っている気もする。

その後は、真奈や敦子にも会って話す。
2人共来月が出産予定だが、健康そのもの。
四十代ぐらいまでは子供を産みたいねと5人目が入ったお腹を愛おしげに撫でている顔を見ると、かなり羨ましくなる樹里であった。


そんな三月の始め。
牝馬クラシックの第一弾、チューリップ賞が行われるた。
大本命でこのレースに挑んだディザイアは松中とのコンビで3馬身圧勝で本番に向かう事となった。

そしてその次の週にはアクアパッツァがフィリーズレビューを快勝。
特に悠は勝利と共に子供の出産を知らされると言う嬉しいハプニングもあった。
初産の澪は少し時間がかかったものの、母子共に健康。
待望の第一子は女の子だった。

「無事に勝つこともできたし、子供も生まれましたし、とにかくほっとしてます」

勝利後のインタビューでそう語った悠。
その表情は嬉しさを隠せないのが明らかだった。


「先週と今週と、今年初戦を無事勝って、脚元も問題はなかったから無事本番に送り出せるわね」
ディザイア、アクアパッツァの両方を管理する寛子もほっとしたように言う。

「それと君の方もね」
「今はそれは言わないでください、先生」

寛子にそう言われ、照れるばかりの悠だった。


金曜日に悠を送り出した辺りから陣痛が酷くなり、次の日の朝に破水。
そこから実母に手伝って貰いながら病院に担ぎ込まれて、ようやく生まれたのが更に翌日の昼間と、かなり時間がかかって消耗戦となってしまっていた。

消耗しきって抱いた我が子は、可愛いとか愛おしいの前に消耗し過ぎて眠い以外の感想が湧いてこなかった。
兎に角寝たいとふらふらになりながら、実母から『何か欲しいものがある?』と聞かれて、悠の逞しい男根と濃厚な精液を思い浮かべてしまったが、流石にそれを口に出さない常識は崩れていなかった。
ただ、出産の激痛で随分叫んでヤバい事も言った気がするが、あんまり覚えていない。
後に聞いた所、『シバクルドルフ!』とか『タマモコロス!』とか叫んでいたらしく、自分にドン引きしながらもどこか安心した澪だった。

そして魂が抜けたように眠りについた所で悠と寛子が到着した。
口を開けて涎を垂らしながらイビキをかく澪に寛子も悠も笑ってしまうが、これが必死に戦い抜いた証であるから寛子が澪の頭を優しく撫でた。

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