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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 329

祐志によると根が淫乱な樹里は、平凡な夫婦生活だと満足できず刺激を求めて浮気するタイプだと言う。
そんな祐志の言葉は名誉毀損甚だしいが、心当たりが無い訳ではない。
確かに祐志に樹里が惹かれた理由が刺激的だと言う事が大きな要因だからだ。

その樹里の特性を引き継いだのが梓らしく、男のあしらい方や手玉に取り方を早く教えておかなければ、樹里のように祐志の肉便器にされて喜ぶような末路しか無くなると思っているらしい。
これも図星なだけに心が痛いが、祐志が彼なりに娘に愛情を持ってる事にも驚いた。
そして祐志は妹の楓の方は紗英のようなタイプと思ってるらしく、早く結婚させて1人の男と添い遂げ、多くの子供を産むだろうから性教育はあえてしないと言っていた。

「まあ、競走馬と繁殖牝馬の違いのようなものだ」

祐志は2人の娘の違いをそんな風に例えていた。
内容は兎も角、雰囲気は何となく伝わる。
因みに樹里は祐志に『私は?』と聞いているのだが・・・
考える間も無く祐志が『馬肉』と答えて撃沈していた。

離婚したし祐志が多くの女を愛人にしているのも知っている。
そして樹里もその多くの女の中の肉便器でしかないのも分かってはいる。
まあそれでも肉便器として愛されてる事に満足してる訳だ。
故に祐志の馬肉と言う評価は多少ショックなものの、当然と言うべき所でもある。
なので幸せそうな紗英を見ていると、羨む気持ちが大きくなる樹里であった。



阪神ジュベナイルフィリーズが終わり年の瀬が近づく頃、樹里の持ち馬の処遇が決まっていった。
アメリカの方はノースウインドがもうすぐマリブステークスに出走して来年の飛躍を狙っていくのと、サンデーサイレンスも年明けから始動させていく。
それに対して日本では、スーパークリークが有馬記念の後も現役を続行予定。
プラニフォリアとオータムリーヴスは予定通り引退して繁殖入りとなる。
療養中のリトルウイングは予後が良く無い事と引き取り先があった事で引退して種牡馬となる。
ガステリアも屈腱炎が酷く現役続行を断念。
こちらも日高では種牡馬需要は高く、引き取り先は簡単に見つかっていた。


リトルウイングはシャダイソフィアの礼として樹里の元にやって来て、澪の執念がGT制覇を導いた馬。
ノーザンテーストの後継の1頭として吉野の元に戻る形となった。

ガステリアは樹里にも、澪にとっても初めてのダービー勝利をもたらしてくれた馬。
奥原に言わせると古馬になってさらに良くなると思っていただけに故障が恨めしいですという言葉も聞いた。

それだけに復帰に向けて治療してきたが、エリックからは来年の復帰も難しいとの報告・・・
そして日高の馬産地からの種牡馬としての期待もあり、引退に踏み切る事になった訳だ。
それらは勿論葛藤もあったが、最終的には馬の事を考えた結果である。


そんな風に大半の馬が引退していく中、来年も現役続行を予定しているスーパークリークは、有馬記念に向けて順調な調整を続けていた。
ジャパンカップの敗戦後も馬は元気で、調子も天皇賞の頃からの好調を維持したままだ。
ただ、悠はジャパンカップが完敗だった事を若干引きずってはいた。

あの狂乱ハイペースでスタミナをすり潰した事が悠にはショックだった。
有馬記念ではあんなペースになる事は無いと思うが、競馬に絶対は無い。
オグリキャップやイナリワンと言ったライバル以前に、クリーク自身に自分の走りをさせなければ勝てないと思っていたのだ。


迎える有馬記念はクリスマスイブの開催。
マイルCS、ジャパンカップを連闘したオグリキャップは年内休養の可能性もあったが、ファン投票1位、しかも史上最多得票を記録したこともあって陣営は出走に踏み切った。
馬体も異常はなくゴーサインが出た。

人気的にはオグリキャップとスーパークリークの一騎打ちムード。
イナリワンは若干水を開けられ、3歳のサクラホクトオーがそれに割って入る形となる。

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