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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 323

澪と出会う前の悠が、全く女遊びしていないわけではなかった。
メジロデュレンなどを管理する栗東のトップトレーナー、池井調教師の息子と悠は同級生であり、一緒に食事に行くついでにナンパに精を出すことがしばしばあった。

悠が騎手になり、悪友だった彼は調教師を目指す為に大学へ進み、気の合う仲間と離れてさあこれから、という時に澪との関係が深まったのだ。

寛子相手に初勝利のご褒美に童貞卒業して、厩舎の女とも関係を持ちつつ、外でもそれなりに遊んでいた訳だ。
そんな悠は一番欲しかった母性と言う部分で寛子を手に入れたので、さほど澪に興味は持たなかったものの、周囲の独身若手達の澪に対する反応が悠に興味を持つきっかけになっていった。

調整ルームで若い男だらけになると、猥談も多い。
その中で澪の話題も少なくない。
モンキースタイル騎乗時の澪の突き出した尻は彼らのオカズであったし、彼女を手に入れる事をダービーに例えられふざけてオッズも出ていたぐらいだ。

そんな中で悠はオッズで本命とか言われ、他の独身騎手から軽い嫉妬を受けているのが心地良かった。
なのでダービーと呼ぶなら獲ってやろうと言うのが最初のきっかけだったのだ。

そもそも大きなアドバンテージが最初からあったので澪をオトす事自体は難しく無かった。
ただ澪と相対してみると、自分が求める母性や情欲以外の感情が揺さぶられてしまった。

そう・・・
この女を孕ませたいと言う感情を強く持ったのだ。

それは初めての感情だった。
母性と情欲を求めている寛子を孕ませたい気持ちは湧いてこない。
それは多感な時期に弟に母親を取られたかつてのトラウマが蘇るからだ。
彼にとって子供は敵でしか無い。

だが、澪は違った。
初めて抱いて感じた優越感と満たされた支配欲。
まだ得てはいないが、それは確かにダービーと例えられただけはあった。
それでどんどん澪にのめり込み、やがて彼女を自分のモノにして孕ませたいと強く思うまでになった。
それは歪んでいるかもしれないが彼なりの愛なのかもしれない。

そして婚約発表、澪の妊娠・・・
悠に集まる羨望と嫉妬は、彼が初めて味わう快感だった。
それは人生のG1の一つを制覇したように感じていた。
結婚してから外で澪と共に仲睦まじい姿をよく見せているのも、彼の中でG1優勝トロフィーを掲げている感覚が一番近いのかもしれない。

今、ベッドの上で全裸で寝転ぶ澪。
その脚を大きく開かせる。

随分と膨らんできたお腹。
それに合わせて張って大きくなった乳房。
その先端の淡いサーモンピンクだった所はチョコレートのように色付いてきている。
これもみな己の種を注いだ結果だ。
この裸体を見る度に支配欲と優越感が満たされ、己の男根が痛いぐらいにそそり立ってしまう。

「澪は僕のモノだよね」
「やだなぁ・・・悠くんのモノ以外の部分なんて無いじゃない」

言いながら彼は澪の割れ目に指を這わす。
よく濡れて溢れんばかりだ。
悠が抱く前にこうなる女が大半だが、澪に感じる支配欲と優越感を満たす感は無い。
その感覚だけでイキそうになる事もある。
故に少し焦れたように悠は男根に手を添えて狙いを定める。
澪からすれば初めての時からこの焦れる感じが可愛くて仕方ない。

ズブリと割れ目を押し広げて入ってくる。
澪の低い呻き。
逆に澪からすれば男に支配される悦びを教え込まれたモノだ。
所詮自分はオスに支配されるメスでしかないと言うのが屈辱ではなく悦びだと知り、今だにその悦びは結合すると蘇ってくる。

自分にとって男は悠しか知らない。
子供の頃から騎手になることを志してきて、色恋沙汰なんて全く気にしてこなかった初心な少女が、初めての相手でここまで堕とされるような感覚になってしまったのだ。
もう戻れない。
いや、戻らなくていい。
澪は快楽に身を委ねていった。

澪が絶頂してもなお、悠は己の欲望を満たすため動き続ける。
その日の夜は特に長かった。

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