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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 301

2人はそんな会話をするものの、次の日のニュースはイージーゴア一色。
二冠馬サンデーサイレンスより扱いが大きいものだった。
アメリカではサンデーサイレンスの血統背景が全く評価されていない上に、人気もイージーゴアに全く及んでいない。
故に彼女達が思う程評価はされていなかった。
それを残念に思いながら2人は帰国したのだった。



帰国してすぐの安田記念ではオータムリーヴスが良い脚を見せたものの、バンブーメモリーの強襲の前に敗れて3着。
高松宮記念、ヴィクトリアマイルと連覇したオータムリーヴスだったが、流石に安田記念の激闘で疲労が溜まってきた事で秋まで涼風ファームでの休養となる。

その涼風ファームでは故障中の馬で溢れかえっていたが、癒えてきた馬も出てきている。
オグリキャップやスーパークリークは随分回復し、ラルフが調整しつつ夏頃には厩舎に帰れる感じまでなってきた。

サクラスターオーも放牧場を元気に駆け回るようにはなってきたが、残念ながらまだオスの機能の回復は見られないでいた。

一方でガステリアは復帰までに最低でも1年はかかる見通しだとヘンリー。
リトルウイングもそれよりは症状は軽いものの年内は無理はさせられないし、年齢的にもそろそろ…と言う見方だと明かされる。

樹里はヘンリーに少し考えさせてほしい、とだけ告げた。

涼風ファームの仔馬たちは元気いっぱい。
その中にはこの春生まれたシャダイソフィアの初仔もいる。

父のスターライトブルーにそっくりな漆黒の馬体の牝馬で、今年生まれた仔の中でも一番元気である。


そのスターライトブルーの種牡馬生活は内国産種牡馬不遇の時代と言われながらも安定はしている。
血統背景からシンボリルドルフの代用と評価され比較的多くの繁殖牝馬と種付けを行っているが、殆どの繁殖牝馬が二戦級と言われる程度で、まだこれと言って話題となる馬は出ていない。
今年が産駒のデビュー年となるが、中央で登録された馬は少ない。

とは言えスタリオンでは期待されている馬で、社来の吉野も『長い目で見てますよ』と潜在能力を認めていた。
そんな中でシャダイソフィアの初仔は、スターライトブルー産駒の中で初めて産まれた大物と言う声が馬産地ではあった。

こんな風にシャダイソフィアを始めとして繁殖牝馬のレベルが飛躍的に上がった涼風ファーム。
今年からは世界的名馬のトリプティクも加わり更に期待できるようになってきた。
そんな事もあって、牧場の方も拡張と施設増設をしている所である。

繁殖牝馬、幼駒の馬房増設、さらには自前でも種牡馬を持てるような態勢作りができないかエリックらと相談を重ねた。

将来の為の準備も抜かりなく進める。
競馬界、馬産地は日々進歩と変化を遂げている、それについて行き自分たちが牽引する立場になる為だ。


アメリカではノースウィンドが路線変更して選んだレースを完勝した一方でサンデーサイレンスが小休止を経て挑んだレースで敗戦を喫してしまう。

前回の敗戦で臍を曲げた感があったサンデーサイレンスは、全くエイミーの言う事を聞かず暴走。
無駄にスタミナを消費しての敗戦と言う状況に、クリスは秋までの休養を決める。
こんな時はリフレッシュする方がいいと言う事だ。
秋に1レース使って、ブリーダーズカップへ・・・
その為の立て直しの休養に入ったのだ。

一方、一般競争で勝ったノースウィンドは8月末のパットオブライエンステークスで重賞初勝利を狙う。
カリフォルニアのデルマー競馬場で行われる1400mのダート戦。
初めての古馬との対戦となるが、地元カリフォルニアとあって調整し易さがある。
ここでの成績を見ながら短距離路線で戦っていく予定だ。


その間、日本では夏のグランプリ。
宝塚記念が行われた。
プラニフォリアも海外遠征から中々体調が上がらず期間が空いたものの、ここに参戦。
実績から一番人気となったものの、イナリワンの前に5着。
海外遠征後、完全に調子が狂っているなりに頑張ったと的家もむしろ納得の敗戦と言う感じだった。

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