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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 268

早めに並ばれたにもかかわらず、プチソレイユは驚異的な粘り腰を見せていた。
シヨノロマンとオータムリーヴスにとっては簡単に捕まえられるはずの相手がなかなかバテずにむしろ苦しい展開になった。
直線半ばでもプチソレイユがまだ先頭。

捉えきれない先行3歳馬2頭に忍び寄り、迫ってくるプラニフォリア。
大外からぐんぐん差を詰めるミヤマポピー。

ゴールまで残り200mあたりとなったところで5頭の激しい追い比べになった。

序盤のスローペースが影響してか、完全に前残りの展開。
ミヤマポピーもアラホウトクを交わしたものの5着止まり。
最後に失速したオータムリーヴスまで半馬身届かなかった。

最後には失速したオータムリーヴスだが、3着のシヨノロマンとはクビ差。
シヨノロマンも必死で喰らい付いたが、プチソレイユの作ったスローペースに呑まれたのだった。

そのプチソレイユの熊崎は渾身のガッツポーズ。
プラニフォリアの猛追を凌ぎきってのエリザベス女王杯連覇であった。
プラニフォリアの的家は悔し気であったが、馬を労いながらのクールダウン。
あと少し・・・
ハナ差まで追い詰めたが、僅かに届かなかったのだ。


これによりオータムリーヴス、プラニフォリア、そしてマイルチャンピオンシップに出走予定のウィンドサッシュは香港に向かう事が決定したが、ここを勝った事でプチソレイユは有馬で引退レースと言う事に予定変更された。
代わりに香港ヴァーズにはリトルウイングが登録される事となったのである。


香港遠征組の1頭、ウィンドサッシュ。
遠征前に国内現役最終戦として選んだのはマイルチャンピオンシップ。
ファンとマスコミが注目したのは、人気を分け合うもう1頭、サッカーボーイとの姉弟対決である。

どちらも現役屈指のスピード自慢。
ウィンドサッシュの国内最終戦でようやく初めての対戦となった。

どちらもディクタス産駒の全姉弟だけによく似ている。
美しい栗毛の馬体と大流星。
馬格も同じぐらいとあってそっくりだとパドックでもその話題で持ちきりだった。

そのサッカーボーイが期待もあって1番人気。
ウィンドサッシュがそれに続く。
その後はシンウインド、フレッシュボイス、ホクトヘリオスと続いていた。
そんな人気順もあって、姉弟対決の色合いが強くなっていた。

本馬場入場から待避所での輪乗り。
サッカーボーイの主戦、河井はいつに無いサッカーボーイの落ち着きに感心していた。
普段からカリカリしているこの馬が不思議なぐらい落ち着いていたのだ。

「お姉さんがいるからなのかな?」
「こっちも落ち着いているから、兄弟だと分かるんですかねぇ?」

ウィンドサッシュの主戦、横平も河井と同じ感想だった。
ウィンドサッシュもいつに無く落ち着いている感があった。

並んで輪乗りを行なっているとさすが姉弟という雰囲気。
揃ってどこかソワソワしたところを見せているとこれから大舞台での対決とは思えない様子だったが、そこはお互いG I馬。
徐々に戦闘モードにスイッチが切り替わるのだ。


ウィンドサッシュは内枠の奇数枠、サッカーボーイは外の偶数枠。
それぞれ落ち着いたゲート入りでスタートを迎える。

ヒシノリフォー、ミスターボーイの先行争い。
サッカーボーイは真ん中からやや後方あたりから末脚を活かすレース運びで、そのちょうど前のグループにウィンドサッシュがいる。

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