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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 255

アメリカでは分かりやすく強い勝ち方をした方が評価される。
これはアメリカではクレーミング競争と言う競走馬を売る為のレースが半数を占めるからであり、バイヤー達に良く見せる為にわかりやすい強さで勝つのが良い風潮になっていったのである。

ノースウィンドは次走はやや間隔を空けてアローワンス戦を予定する。
アローワンス戦は日本における条件戦に近いレースだ。
いきなり重賞を狙いに行くのではなく、まだ身体の出来きっていない2歳馬に無理はさせない配慮だ。

とは言え、樹里にとってはこれがアメリカでの初勝利と言う事になる。
次は半分権利を持つサンデーサイレンスだが、こちらはもっと期待してくださいとクリスは笑いながら言うのだった。


樹里は子供達とアメリカ観光をした後に日本に帰る。
帰って向かった先は北海道のリゾートホテルだった。

このホテルは白幡建設が建てたもので、白幡グループの成長の証のようなものだ。
グループ内にはもっと建設拡大するだけでなく経営まで主体的に行おうとの意見が強くなっているが、樹里はそれには否定的だ。

元々、樹里の祖父が戦後の混乱期に建材卸しの仕事を始めたのがきっかけで、それを健三が建築や土地開発に拡大していった。
樹里の時代になってから金融関係が強くなりつつあるが、やはり本業は建材及び建築なのである。
それをリゾート経営までやろうと言うのが、今グループ内で大きな意見となっているのだが、それは空前とも言われる好景気だからと言うのもあった。

だが、樹里はそれには否定的。
好景気で事業拡張は良いと思っているのだが、余りにもリスクが大き過ぎる。
健三も生前、急拡大を戒めていたし、樹里の叔父も慎重派だ。
そう言う事もあって、このリゾートホテルも建設こそ白幡建設だが、経営権は別だ。

とは言え縁があるのと涼風ファームに近い事もあり、今回はここでバカンスを楽しむ事にした訳だ。


だが、そんな樹里が戸惑ったのは予期せぬ来客の為だ。
祐志が来ると言っていたのは聞いている。
だが、妻の麗奈と子供達は想定外だ。
現妻と元妻が鉢合わせて微妙な空気になってしまっていた。

「お久しぶりですね・・・」
「こんな所で会うとは奇遇ですね」

お互い友好的な雰囲気とは行かない。
オグリキャップの中央デビュー頃から競馬にハマりつつある麗奈が、父の所有馬が走る度に競馬場に来るようになったのは樹里も知っているし何度も顔を合わせていた。
ただお互い話しても微妙な雰囲気にしかならないと言うか、麗奈が樹里をややライバル視している感があるのは感じていた。

そんな関係だから、こうやって顔を合わせるのは想定外・・・
2人は同時に祐志を見るが、祐志はニヤニヤしている。
こうやって自分の女達を争わせたりするのも好きと言う厭らしい所がこの男にはある。

「随分と大胆な格好をされてるんですね」
「そちらはスマートな体型で羨ましいですわ」

プールサイドで祐志が指定したマイクロビキニの樹里。
そのグラマラスな体型を見て言う麗奈に、樹里も麗奈のワンピース水着に包まれた小柄でスレンダーな体型を揶揄して返す。
勿論2人共笑顔だが、目は笑っていない。
対照的に祐志は『俺の女』2人を争わせて、さも楽しそうにニヤニヤしていた。

ちなみに奈帆を孕ませたことに関しても樹里に問い詰められた祐志だが、奈帆も喜んで産んで育てたいと言ったからそうさせた、というのが彼の言葉だった。
まあ孕ませた女に堕ろせと言うようなクズ男ではないことは樹里もよく知っているので、さらに深くは聞かないことにした。
ただし、麗奈には黙っておいてくれ、と祐志は付け加えるのだった。

樹里と麗奈のギスギスした空気とは対照的に、お互いの子供同士はいたって仲良しで一緒になって遊んでいる。
麗奈の子のひとりは男子なので将来旦那にどうだ、と祐志に言われた樹里はそれには無言を貫くのだった。

流石に娘達では父親が一緒なので結婚は出来ないから樹里がと言う事だろうが、その年齢差だと麗奈の方が卒倒するだろう。
好かれてはいないと思うが、更に憎まれる気はない。

「三十路に入って更にエロいカラダになったな樹里」
「そんな風に言うの止めてよ」

マイクロビキニを渡されて嫌な予感はしていたが、まさか麗奈を呼んでいるとは思わなかった。
彼女の視線がどこを見ていて厳しくなっているか分かるだけに、祐志の悪辣さに腹が立ってくる。
だが、嫌いにはなれずホイホイと言う事を聞いてしまう自分にも問題はある。

樹里の娘達が何となく空気を読みながら麗奈の3人の子供を見てくれているのが何だか申し訳がない。
そこに祐志が入って遊んでいる辺りはいいパパであるが、この男一体何人のパパなのかしらと頭を抱えたくはなる。

そして子供達は祐志と沢山遊んで昼ご飯を食べると昼寝。
そして、大人達は・・・

抱き合いキスをする祐志と麗奈。
麗奈も随分仕込まれているのか、舌を絡めながら淫らな音を立てるのも厭わないでいた。

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