PiPi's World 投稿小説

駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

の最初へ
 238
 240
の最後へ

駆ける馬 240

前はユキノローズが踏ん張るが、そこに並んで抜け出すのはセントシーザー。
さらにウィンドサッシュが内から抜けて先頭を奪わんとする。
セントシーザーとの叩き合い。

ダイナアクトレス、ホクトヘリオスの2頭は末脚自慢で、外から懸命に伸びてくるが先頭には届く距離にはない。ウィンドサッシュはセントシーザーの粘りを見事に交わし切り、ゴール板を先頭で駆け抜けた。

横平は渾身のガッツポーズ。
後でそこは奥原に怒られたものの、若手は舘や相原ばかりじゃないぞと言うのを示した勝利であった。


幸先の良い春のG1初戦の勝利。
次は大阪杯。
ここにはリトルウイングとプチソレイユの2頭が出走する。

どちらも天皇賞を最大の目標としているが、G1であるここも大目標でもある。
マックスビューティ、メジロデュレン、ゴールドシチー、フレッシュボイス、ランドヒリュウとメンバーも粒揃いであった。

リトルウイングには澪が乗り、プチソレイユは準主戦とも言える熊崎が騎乗。
この2頭とマックスビューティが人気を分け合う。
ただ人気を落としてはいるが、フレッシュボイスやゴールドシチー、メジロデュレンは一発がある。
故に馬券的には面白いレースと言われていた。

リトルウイング騎乗の澪は前週に毎日杯をオグリキャップで完勝。
同時にリーディングトップを祐志から奪い返している。
クラシック候補のヤエノムテキを子供扱いしたと言われる程の完勝で、オグリキャップの勝利がフロックと呼ぶ者は随分と減った。

オグリキャップはここからNHKマイルカップを目指すと瀬戸内調教師からコメントがあった。
関係者やファンの間では次も楽勝ではという声が多い。
瀬戸内が「タフな馬」というほど疲れ知らずなオグリキャップにはその次は安田記念や宝塚記念にもエントリーすることを勧める声まで出ている。


大阪杯は7歳にして充実期に入ったベテラン・トウショウレオが好スタートから先手を取る。
プチソレイユは無理には競りかけず2番手から進める。
マックスビューティは好位3,4番手、ランドヒリュウやリトルウイングはその後ろで続く。
鞍上に悠を据えたフレッシュボイスは中団からやや後方。

去年の秋の天皇賞以来の久々の出走。
主戦の田沢がマックスビューティに騎乗している為に悠に回ってきたのだが、元々一気の豪脚を持つ馬だ。
恐らく悠も後方から一発狙っているのだろう。

前半のペースは淡々としたもの。
プチソレイユも無理矢理競りかける事はせずトウショウレオに追走。
開催週の阪神の芝コンディションはすこぶる良く、ペースを少しでも上げると後方の馬にとって良い展開になる。
逆にペースを少し落としてやるだけで、前の馬が残る余地が出てくる訳だ。

そんな展開に持ち込んだ先行勢に対し、後方集団は動くタイミングをじっくりと伺う。
歪な形の阪神競馬場であるが、コース幅も広くゆったりとしているので中山程トリッキーではない。
だが、唯一の先行泣かせが直線の坂だ。
ここまでに良い形を作れるかが先行勢にとっての課題である。

あまり早めに行くようだとこの坂で止まる。
しかし勝負所で抑えすぎると前をとらえきれずに終わる。
微妙な匙加減が必要で悩まされる部分だ。

トウショウレオは軽快に逃げ、プチソレイユは少しだけ動いてそれにいつでも並んで交わせるところまで来ている。
マックスビューティがその後ろでじっとしていて、リトルウイングはマックスビューティのすぐ後ろで状況を伺っている。

4コーナーを回る。
プチソレイユが満を持して先頭に立ち、そこに並んでいくのはランドヒリュウ。
マックスビューティには勢いがないように見える。

SNSでこの小説を紹介

スポーツの他のリレー小説

こちらから小説を探す