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駆ける馬
官能リレー小説 - スポーツ

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駆ける馬 237

この笠松からやってきた芦毛の怪物、その実績と調教の出来と未知の魅力で2番人気にまで推されることになる。

「それでも1番人気にはならないのか」
祐志は複雑そうな表情。
ここはシンザン記念を勝ったラガーブラックが1番人気。

レースはアグネスカノーバが逃げ、ラガーブラックは2番手。
グレートモンテ、インターアニマートが続きオグリキャップは後方。

鞍上の澪は震えていた。
下から突き上げてくる感触が子宮を熱く疼かせ、股間が潤んで震えていたのだ。
これは極上の感覚・・・
男を知ったからこそ分かる。
極上のセックスをしている感覚だった。

今まで乗った名馬・・・
ラモーヌやガーベラ、スターライトブルーも同様な感覚はあった。
だが、これはそれ以上かもしれない。

『私、この子のモノにされちゃうかも』と呟く澪は上気してメスになった顔で前を見ながら目をギラつかせた。

コーナーは後方を追走。
セックスでピストンを抑えて焦らされてる感覚に悶えるが、まだこんなものではないと澪は己を抑える。
コーナー出口でもまるでついていけないように見えるぐらいの後方待機。
スタンドで見ている者達は、やはり地方馬は中央では辛いかと嘆息混じりに見ているぐらいだった。

だが澪は笑っていた。
欲情した笑みで鞭を入れる。
その瞬間、オグリキャップの馬体が沈み込む。

グンと強烈な加速。
低い体勢で跳ぶオグリキャップ。
見ていた者達が息を飲んだ。

先に抜け出したラガーブラックを並ぶ間もなく交わし去る。
そして突き放す。

初めて芝を走る馬とは思えないくらいのパフォーマンス。
破格の走破時計もおまけについてきた。

「まあここはこのくらいで勝ってくれないとな。もう今日くらいのオッズはつかないかもしれないぞ?」
唖然とする樹里の隣で祐志は高笑いしかけるが
「………やっぱクラシック出したかったな」

一方、勝った澪はこんな時期にも関わらず汗だくだった。
タフなレースをしたと言うより、性的に一戦交えたような汗・・・
ウイニングランでオグリキャップの鬣を撫でる仕草は、行為の余韻を味わっているようだった。
勿論、他人はそれを理解しえないが。

「惚れましたね、ベタ惚れですよ!・・・素晴らしい出会いをくれた関係者の皆様には感謝しかありません」

若干興奮気味でインタビューに答えた澪。
色んな意味の興奮であったが、オグリキャップの凄さをアピールするに十分であった。
次の日のスポーツ新聞には『栗東の姫が見初めた田舎上がりの灰被りの君』とのシンデレラストーリーを男女逆にしたような描写が紙面を踊ったが、これはまだ序章にしか過ぎなかったのだ。


その頃、涼風ファームは出産シーズンを迎えていた。
牝馬達より一足先に出産を迎えたのは人間のメス達。
今年は5人共比較的安産であった。

だが、そんな中でトラブルがあった。
幸子が出産で牧場を離れた所で、サクラスターオーの体調が急変。

一時期は危篤状態にまでなったのだ。

脚の負担を減らす為に現役時より100kg程馬体を削った結果、体質の強く無いスターオーは頻繁に体調を崩していた。
その度に幸子を初めとした牧場の女達のマッサージや母乳で持ちこたえてきていた。
特に幸子の存在は大きい。

体調不良でイライラした所を見せても、幸子が裸になり抱きつくだけで治る。
食欲不振でも幸子の乳だけは舐める。

そんな状況だけに幸子の出産時の不在は懸念材料だったが、見事にその予想が嫌な形で当たったのだ。
その為に病院から幸子が慌てて帰ってくると、陣痛に襲われながらもスターオーを抱きしめると症状はやや落ち着いた。

だがそうなると危ないのは幸子の方だ。
結局、スターオーを抱きしめながら破水してしまい、エリックが取り上げての馬房での出産となってしまった訳だ。

「サチコは聖母マリアになったのだな」

生まれた男の子とスターオーを同時に診ながら疲労困憊のエリックの顔も安堵の笑みが広がる。
無事の出産だけでなく、スターオーの方も何とか持ち直したのだ。

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